【郡山試写会レポ】田部井淳子さんの映画で思い出す、健康と運動の大切さ
昨日、郡山テアトルにて開催された映画『てっぺんのてっぺんの向こうにあなたがいる』の試写会に行ってきました。登山家・田部井淳子さんの人生を描いた作品です。
田部井淳子は、実は私の叔母にあたります。身内として少し照れくささもありましたが、映画に登場する家族の姿(息子の進也くんや、美人だった従姉の教ちゃん)や、のんさん・吉永小百合さんが演じる淳子叔母さんのしぐさや言葉の節々に、「ああ、淳子叔母さんって本当にこうだったなあ」と懐かしい気持ちがこみ上げました。
監督や出演者の皆さんが、まるで身内以上に淳子叔母さんを理解して映画を作り上げてくださったことに、本当に感動しました。
挨拶に郡山へ来てくださった吉永小百合さんもとてもお美しく、映画の中で本当に山に登っている姿に驚かされました。見えないところで日々努力されているのでしょうね。
■ 「階段を見たらラッキーと思え」
以前のブログにも書きましたが、私が今でも大切にしている叔母の言葉があります。
「階段を見たらラッキーと思え」
そして、色紙にもらったもう一つの言葉が、
「人間の能力・体力の限界は、努力で伸びる」
まさにこの言葉どおり、淳子叔母さんは晩年、原発不明癌と診断されながらも、主治医の予想を超えて山に登り続けました。あの姿は、医療者としても、家族としても、そして一人の人間としても深く心に残っています。
■ 「体力は貯金できる」——運動が未来の自分を守る
叔母が病気と向き合いながらも山に登り続けることができたのは、やはり若い頃から登山や運動で鍛えた「体力の貯金」があったからだと思います。
実際に、運動が健康にもたらす効果は医学的にも裏付けられています。
さらに、高齢者にとっては「最大歩行速度の60%程度の速度」での散歩が、中等度の運動として効果的とも言われています。これは、生活習慣病の予防、骨粗しょう症、うつ病、さらには機能低下の予防にもつながります。
つまり、階段を使う、近所を歩く、少し遠回りして買い物に行く——こうした日常の“ちょっとした運動”が、未来の自分を守ってくれるのです。
■ 山に登らなくても、「日常の一歩」が未来を変える
もちろん、すべての人が山に登れるわけではありません。でも、歩くこと、階段を使うこと、外に出ること。こうした積み重ねが、体力という「貯金」になっていきます。
叔母のように人生の“てっぺん”まで挑戦し続けることは難しくても、自分なりの目標やペースで、日々身体を動かすことは誰にでもできるはずです。
体力を鍛え、健康を維持することは、人生を自分らしく生きるための“土台”になります。
■ 最後に
映画『てっぺんのてっぺんの向こうにあなたがいる』は、田部井淳子の人生を超えて、私たちに「今をどう生きるか」を問いかけてくれる作品でした。
そして彼女の生き方は、医学や運動生理学の視点から見ても、「日々の運動が未来をつくる」という事実を強く物語っています。
石橋医院も、皆さんの日常の健康づくりを応援します。
まずは、「今日、階段を使ってみること」から、始めてみませんか?
