【2025年】福島県でインフルエンザが警報レベルに ― H3N2「サブクレードK」が急拡大、郡山市でも増加 ―
2025年冬、全国的にインフルエンザが大流行しています。特に小児を中心に患者数が増加しており、福島県でも警報レベルに達しています。
■ 全国の流行状況:東北地方で特に多い
厚生労働省が発表した2025年第47週のインフルエンザ報告によると、全国の定点当たり患者数は 51.12 人(前週 37.73 人から大きく増加)と急拡大しています。
都道府県別では、
- 宮城県:89.42(全国1位)
- 福島県:86.71(全国2位)
- 岩手県:83.43(全国3位)
と、東北地方での流行が際立っています。
(出典:厚生労働省「インフルエンザ流行レベルマップ」
https://www.mhlw.go.jp/content/001600539.pdf)
■ 福島県内の状況:いわき市が最多、郡山市でも増加
福島県が公表したデータでは、県内でも地域差が見られます。
地域別定点当たり報告数は以下の通りです。
- いわき市:131.78 人(県内最多)
- 会津:109.33 人
- 郡山市:86.33 人
郡山市でもすでに警報レベルに達しており、十分な注意が必要です。
(出典:福島県「インフルエンザ発生状況」
https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/717771.pdf)
■ 今年流行しているのは「H3N2 サブクレードK」
- H3N2とは?
インフルエンザA型には、ウイルス表面の
- ヘマグルチニン(HA:人の細胞にくっつくタンパク)
- ノイラミニダーゼ(NA:増殖したウイルスが細胞から離れる際に使う酵素)
の組み合わせによって多くの亜型があります。
H3N2は「HAが3型、NAが2型」の組み合わせを持つインフルエンザA型で、1968年の香港かぜ以来、何度も大きな流行を起こしてきた系統です。
- 「サブクレードK」とは?
今年の解析で多く検出されているのは、H3N2 の中でも “サブクレードK” と呼ばれる比較的新しい系統です。
サブクレードKの特徴
- HAの受容体結合部位周辺に複数の変異をもつ
- そのため、従来株やワクチン株と抗原性が少し異なる
- 免疫回避(過去の感染やワクチンで得た免疫をすり抜けやすい)可能性が指摘
- 2025年前後に世界各地で報告が増加している新しいクレード
こうした性質のため、今シーズンの流行立ち上がりが早かった可能性があります。
■ H3N2は歴史的にも大流行を繰り返してきた
H3N2は季節性インフルエンザの中でも 高齢者の重症化リスクが特に高い ことで知られています。
- 1968年「香港かぜ」
- 香港で大規模流行 → 3か月で世界へ
- 日本には1968年9月に到達
- 世界の推定死亡者数:100万人以上
- スペインかぜなどより規模は小さいものの、深刻なパンデミック
H3N2はその後も毎年のように流行を繰り返し、高齢者中心に大きな負荷をかけてきたウイルスです。
■ 今季ワクチンは「重症化予防」に有効
現在接種されている2024–2025シーズンのワクチン株は以下の通りです。
- A型H1N1:A/ビクトリア/4897/2022(IVR-238)
- A型H3N2:A/パース/722/2024(IVR-262)
- B型(ビクトリア系統):B/オーストリア/1359417/2021
H3N2のワクチン株(A/パース/722/2024)は、サブクレードK(J.2.4.1)とは抗原性が一部異なるため、
発症予防効果はやや下がる可能性があります。
しかし、イギリスの現地データでは:
- 小児・青年の救急受診・入院予防効果:72–75%
- 成人全体の入院予防効果:32–39%
と報告されており、
重症化・入院予防には十分な効果が期待できるとされています。
(参考:Eurosurveillance “Early influenza virus characterisation and vaccine effectiveness in England in autumn 2025”)
H3N2は歴史的にも高齢者の重症化リスクが高く、
さらに今年は免疫回避性が指摘されるサブクレードKが主流です。
特に以下の方は、早めのワクチン接種をおすすめします
- 65歳以上の高齢者
- 基礎疾患のある方(心疾患・呼吸器疾患・糖尿病など)
- 妊娠中の方
