インフルエンザ、早くも流行入り!ワクチン接種は9月24日スタート~郡山市の最新感染動向とワクチン事情~
■ 今シーズンは異例の早さで流行シーズン入り
例年、インフルエンザの本格的な流行は11月以降というイメージをお持ちの方が多いかもしれません。しかし今シーズンは様相が異なるようです。福島県感染症情報センターの発表によると、県内は「第35週(8月24日~30日)から流行シーズンに入った」とされており、残暑が続く時期からすでに患者数が増加し始めています。
当院のある郡山市を含む中通り地域でも増加傾向がみられ、注意が必要な状況です。
■ 福島県内の最新感染動向(2026年第36週:8月31日~9月6日)
福島県の定点医療機関(インフルエンザ・COVID-19定点:県内48定点)からの報告によると、第36週のインフルエンザ定点当たり報告数は県内総数2.85で、前週(1.79)から大きく増加しました。保健所管内別の内訳は以下の通りです。
・福島市:5.00
・県北:2.25
・郡山市:2.33
・県中(郡山市を含む地域区分):2.40
・県南:0.33
・会津:1.33
・南会津:0.50
・相双:2.00
・いわき市:4.89
「定点当たり報告数」とは、指定された医療機関(定点)1カ所あたりの週間患者報告数を示す指標で、流行の目安として使われます。福島県のレビューでは「相双で発生、福島市・県中で増加、県北・郡山市・会津・いわき市で流行が見られる」とされており、県内の広い範囲で同時多発的に増加している点が今シーズンの特徴です。実際、県北管内では第35週に10.75という高い値を記録するなど、急速な立ち上がりを見せた地域もありました。
また、報告された137件のうち132件がA型陽性(B型は0件)と、ほぼA型インフルエンザによる流行であることも報告されています。年齢群別データでは、5~9歳が全体の約44%を占め、10~14歳を合わせると学童期の患者が突出して多くなっています。夏休み明けの学校生活再開が、今シーズンの早期の流行拡大に関与している可能性がうかがえます。
■ 2026/27シーズンのワクチン株は3株すべて変更
厚生労働省が2026年8月26日に開催した審議会資料によると、今シーズンのインフルエンザHAワクチンの製造株は、WHOの推奨を受けて3株すべてが前シーズンから変更されました。
・A型H1N1:A/スイス/6849/2025(IVR-278)
・A型H3N2:A/ミシガン/105/2025(SAN-049A)
・B型ビクトリア系統:B/東京/EIS13-175/2025
なお、B型山形系統は世界的な流行がほぼ確認されていないため、今シーズンも3価ワクチン(A型2種+B型1種)としての供給が続きます。製造効率(卵1個あたりの抗原産生量)は前年度比1.06倍とやや向上しており、生産面での大きな懸念は報告されていません。
■ 供給量は近年並み以上、大きな不足の心配は少ない見込み
同資料によれば、2026/27シーズン(令和8年度)の季節性インフルエンザワクチンの見込み供給量は約5,190万回分。近年の使用量(過去3年平均)を上回る水準で確保される見通しです。9月末の時点(9月5週)で、すでに供給予定量の6割を超える約3,147万回分が出荷される計画となっており、「ワクチンを効率的に使用すれば不足は生じない状況」と厚労省は評価しています。
新型コロナワクチンについても、抗原組成はオミクロン株XFGまたはNB.1.8.1系統に対応したものとなり、供給量は昨年度使用量(約403万回)を上回る約702万回分が見込まれています。10月1日からの定期接種開始が予定されています。
■ ワクチンはいつ受けるのがベスト?-CDCのガイダンスから
「打つタイミング」について、米国CDCが2026年9月に公表した医療従事者向け指針(季節性インフルエンザワクチンに関する暫定的な臨床的考慮事項)の要点は以下の通りです。
・年1回の接種で足りる方にとって、理想的な接種時期は9月~10月。
・7~8月のごく早い時期の接種は、シーズン終盤にかけて免疫効果が弱まっていく(waning immunity)ことが複数の研究で示されているため、基本的には推奨されない。特に65歳以上の高齢者ではこの傾向が顕著。ただし、後で接種する機会が確実に取れないと見込まれる場合は、早期接種を検討してもよい。
・基本的に10月末までに接種を終えることが推奨されているが、それ以降もウイルスが流行している間はシーズンを通して接種する意義があるとされ、11月以降の接種も無駄ではない。
■ 高齢者の方こそ、早めの接種をおすすめ
今シーズンのデータで特に注目したいのは、感染者の半数近くを5~9歳の学童が占めているという点です。お孫さんと同居されている方、学校や学童保育のお迎え・送迎に関わる方、地域のこども会や習い事の付き添いなどで子どもたちと接する機会が多い高齢者の方は、家庭内・地域内でウイルスをもらいやすい立場にあります。
インフルエンザは高齢の方ほど肺炎などの重症化リスクが高いことが知られています。「まだ流行していないから」と様子を見るのではなく、学童期を中心にすでに県内で流行が拡大しているという今シーズンの状況を踏まえ、孫世代・子世代と接する機会が多い方ほど、9月下旬から10月にかけての早めの接種をご検討いただくことをおすすめします。
■ 郡山市にお住まいの65歳以上の方:助成のお知らせ
郡山市では、インフルエンザ・新型コロナワクチンの費用助成を実施しています。
・対象:郡山市に住民票があり、65歳以上の方(60~65歳未満で心臓・腎臓・呼吸器機能等に一定の障害がある方も対象)
・インフルエンザ助成期間:令和8年9月24日(木)~令和9年1月30日(土)
・新型コロナ助成期間:令和8年10月1日(木)~令和9年3月31日(水)
・自己負担額:インフルエンザ1,500円/新型コロナ4,700円(各1人1回のみ)
・持ち物:マイナ保険証(資格確認書)
例年より1週間ほど早い9月24日からのスタートとなっているのも、今シーズンの早い流行入りを踏まえた対応といえるでしょう。
■ まとめ
今シーズンは、①流行入りが例年より早く、②A型を中心に学童期での増加が目立ち、③ワクチン株は3株すべて変更、④供給量は例年並み以上で不足の心配は少ない、という状況です。特にお孫さんなど子どもたちと接する機会が多い高齢の方は、重症化を防ぐためにも早めの接種をご検討されるのがよいかもしれません。
