県内新型コロナウイルス 2例目
昨日、郡山市で県内2例目の新型コロナウイルス感染例の報告が有りました。報道によると、エジプト旅行、ナイル川クルーズに参加、帰国後に症状が出現し、数日仕事をしたのち、症状の改善が見られず、帰国者・接触者外来を受診したとの事でした。
これまでの、日本での感染例の報告を見ていると、ナイル川クルーズに参加した方の発症が散見されています。確実なことは言えませんが、本県での例も、クルーズでの感染であったのではないかと推察されます。クルーズ船や、屋形船、ライブハウスなど、閉鎖空間での感染の広がりを思わせます。
今回は、前回の1例目と比較して、成田から自宅までの経路でマスクをしていたかが不明なことと、帰国後数日職場にて仕事をしていたことなどが懸念材料です。ただ、職場に行っていたときは発熱がなかったようなので、その時点で感染を疑うのは困難であったかもしれません。今後重要なのは、濃厚接触者がいるか、いる場合は2週間程度自宅待機をお願いするなどで、拡散を防ぐ必要が出て来ると思われます。
感染例が今後も増加していく可能性は否定できませんが、我々がやらなくていけないことは同じです。
米国CDCのHP内、How to Protect Yourselfにまとまっています。簡単にまとめますと
1.どうやって感染が拡散するのかを知っておく
せき、くしゃみの飛沫が他人の鼻、口から侵入して感染します。
約6フィート(1メートル80センチ)の距離まで感染します。
2.手洗いを頻回に
石けんと水で最低20秒手洗いをする。もし、石けんと水が無ければアルコールでも可能。
手洗いしていない手で、目、鼻、口を触らない。
3.流行地であれば、人と距離をとる事を心がける。
4.体調が悪いときは、家で安静にする。
5.咳、くしゃみの時はティッシュなどで覆う。ティッシュは捨てて手洗い。
6.病気の人はマスクをします。健康であれば(感染者のケアをする人を除き)マスクをする必要は無い。
7.よく触れる部分はきれいに、消毒を。ドアノブ、テーブル、スイッチ、キーボード、トイレなど。見た目に汚いときは、まず水と洗剤で洗う。消毒には家庭用塩素系消毒薬やアルコールを用いる。
と言った所でしょうか。
HPには“If soap and water are not readily available, use a hand sanitizer that contains at least 60% alcohol.”と、手洗いは流水と石けんで、「もしも無ければアルコールで」代用と書いてあります。まずは、石けんで手洗いです。マスクについては米国と日本では習慣の多少の違いがあるかも知れません。マスクは米国では感染予防効果がないとされています。しかしながら、いま日本では花粉症の季節になっていますので、そのような方はマスクするのは周りの人も安心感が出るでしょう。また、直接鼻周りをさわる機会が減ることで一定の予防効果はあるかも知れませんが、今、最もマスクが必要なのは、いわゆる指定医療機関で、新型コロナウイルス感染を扱う機関です。
そしてこれまで通り、拡散防止のためには、咳があるからと言って安易に一般の医療機関を受診しないこと、体調不良の時はまず会社を休み自宅安静とすることが重要です。そういうことがきちんと出来るような社会システムを構築しなくてはいけないのでしょう。無理に仕事に出て、職場全体がストップしてしまうようなリスクは今は避けるべきです。一人一人のそのような行動の積み重ねが重要です。
と、書いていたら、賀来先生のいる東北医科薬科大学から「新型コロナウイルス感染症 ~市民向け感染予防ハンドブック」が発刊されていました。こちらも内容はCDCのHPとほぼ一緒だと思われます。イラストも有り読みやすくなっていました。こちらもみなさん、目を通しておいていただきたいと思います。
http://www.hosp.tohoku-mpu.ac.jp/info/information/2326/