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院長ブログ

変異株の増加とワクチン個別接種の推進(2021.05.03更新)

郡山市では5月下旬より、新型コロナウイルスワクチンの個別接種が始まります。集団接種はすでに始まっていますが、まだ接種可能人数が十分でなく、予約が取れないという不満が出ているようです。すでに広報で5月10日から一般のクリニックで接種の予約が可能とされたので、集団接種の予約のとれなかった人達の問い合わせが押し寄せてくる可能性が高いと予想しています。ただ基本的に、そのクリニック中心に受診されている、かかりつけの患者さんを中心にそれぞれのクリニックで受付することとなると思われます。2週~4週間おきに患者さんの状態、内服薬のコントロールなどをしている施設で受けるのが基本となるでしょう。何カ所か通院している方は、一番重要な疾患、たとえば心疾患、脳神経疾患、肝疾患などを見てもらっているところにお願いするのが良いと思われます。病状、内服の内容によっては接種後の止血圧迫に少し時間をかけないといけない方もいる可能性が有ります。どこでもいいから、と電話をかけまくるより、自分の体のことを一番よく知っているクリニックにお願いするのが安全です。

 

Our World in DataというHPで現在の世界のコロナウイルス感染の状況をグラフで見ることができます。左の枠から表示したい国を選んでグラフをつくれます。これで見てみると、前に書いたイギリス、イスラエルでの患者数の減少がよくわかります。

https://ourworldindata.org/covid-vaccinations

(上)感染者数、イギリスに逆転されました。

(下)日本のワクチン接種はまだまだですね

アメリカでもワクチンは進んでいるのですが、最近では患者減少が少し頭打ちになっているようにも思えます。この理由は今のところ不明で、解析を待つしかありませんが、変異株の影響でないといいなとは思います。

 

変異株についてはやはり現行のワクチンによる効果は減少するようです。変異株B.1.351においてファイザーとアストラゼネカ社のワクチンによる中和効果は1/8~9に低下するようです。

https://www.cell.com/action/showPdf?pii=S0092-8674%2821%2900226-9

 

B.1.351は南アフリカで同定された株で、スパイク蛋白の484番目のアミノ酸がE(グルタミン酸)からK(リシン)に変化したE484K変異を、イギリス型のN501Yと合わせて持っている株です。

以前も書いたように、アミノ酸の変化が蛋白質の立体構造に変化をもたらすので、受容体への結合が増したり、中和抗体が付きにくくなったりするようになると考えられます。

Cellの論文では、初期のCOVID19感染症から回復した人の血清やワクチンを接種した人の血清を用いて、B.1.351株の中和能を測定しています。回復した人の血清には、ワクチンを接種した人と同様にウイルスの中和抗体ができていると考えられます。そういった抗体でどのくらい、新たな変異株を中和できるかと言う研究です。この研究では、回復社の血清、ワクチン後の血清とも、B.1.351株に対する中和能は、初期型のウイルス株に比較して7.6倍低下したと報告されています。

 

この結果は以前Natureで報告された、人工的にウイルス変異を入れて中和能を測定した物と結果がほぼ同じです。イギリス型のN501Yを入れるとある程度中和能が低下しましたが、さらにE484K変異をいれると、中和能はさらに低下し、約1/7になったとのことです。

https://www.nature.com/articles/s41586-021-03412-7

 

 

ただ、Cellの論文に有りますが、ワクチンを投与していない方の血清は、全くウイルスを中和していませんので、それと比較したら、ある程度中和能が残っている血清も見受けられる感じがします。

実際、中和抗体価が高い血清は変異株も中和可能であったと報告されています。つまりできるだけ多くの中和抗体を誘導するために、ワクチンの2回接種が重要である可能性を指摘しています。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33532796/

 

変異株による感染拡大は大きな問題であると思われますが、現時点でできる対策はやはりワクチンの2回接種を進めていくことのようです。

 

以前から県のワクチンチーム、郡山市のワクチンチームから大量の資料がメールで届けられてきました。新たなシステム、HPへの登録、登録機器の貸与とその使用法など、矢継ぎ早に送られてきて、理解することができませんでした。何を、どう進めればいいのか。広報にワクチンのことが載せられた今でも、こちら側ではいまだ混乱しているのが実際のところです。矢継ぎ早にメールで届けられた資料を、毎日の仕事が終わった後や、休日にため息をつきながら何度も読み、結局何をすればいいのかわからないため、少しイライラしながら、質問メールをワクチンチームに送ったこともありました。そのたびに、返信メールは返ってきます。返信時間は21時~23時。送られてくるメールの中には日付が変わってからのものもありました。

そうです。県職員も、市の職員も皆頑張っているのです。我々もなんとかその思いに答えないと、そう思い返し、また難解な資料と格闘する日々です。

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