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院長ブログ

オミクロン株に対する3回目ワクチン接種の効果:ファイザー社レポートより(2021.12.09更新)

ファイザー社から、オミクロン株に対するワクチンの効果についてのこれまでの研究結果の報告が12月8日のHP上に載っていました。

 

https://www.businesswire.com/news/home/20211208005542/en/

 

主な結果は以下の通りです。

・ワクチン2回投与ではオミクロン株に対する中和能は大幅に低下するのに対して、3回接種でオミクロン株は中和可能であった。

・ワクチン3回接種でオミクロン株に対する中和能は25倍になる。この抗体価は2回接種時の初期株に対する中和能と同じである。

・CD8 + T細胞によって認識されるスパイクタンパク質のエピトープ(つまり、細胞性免疫の細胞に認識されるスパイク蛋白の部分)の80%は、オミクロン変異体の変異の影響を受けないため、2回の投与で重症化抑制される可能性がある。

・ファイザー社は3月までにオミクロン株に対するワクチンを利用可能にする予定。

 

・・・とのことです。オミクロン株に対するワクチンは、11月25日には開発がスタートしており、最初のロットは100日以内に準備可能となるとのことです。ワクチンは2022年に40億回分生産される予定です。

 

研究にはファイザー社のワクチンを2回もしくは3回接種した人の血清を用いて行われました。血清は2回目の接種の3週間後と3回目接種の4週間後に得られています。

オミクロン株に対するgeometric mean titer (GMT)はワクチン3回投与でオミクロン株に対しては154、デルタ株に対しては398であり、ワクチン2回接種での初期株に対しては155だったとのことでした。

 

このレポートでは中和抗体測定時の血清は、比較的ワクチン接種からあまり時間が経っていない、つまりワクチンの効果で抗体価が非常に高い時期のサンプルのようです。ここはまだ今後の結果待ちかも知れませんが、これまでの研究結果からすると、時間と共に中和能は低下して行く可能性は否定出来ないかもしれません。しかしながら、レポートにもあるように、細胞障害性T細胞のターゲットとなるスパイク蛋白のエピトープは、オミクロン株では変異の影響を受けていないとのことなので、細胞性免疫はやはり担保されるようです。

 

抗ウイルス免疫は中和抗体による液性免疫だけではなく、細胞障害性T細胞による細胞性免疫も重要です。現時点でワクチンを2回接種された方には液性免疫のみならず細胞性免疫も有していると考えられます。今後3回目接種でさらに免疫能は上昇すると考えられますが、そのときの日本での感染状況、オミクロン株の動向等を考慮して、株特異的ワクチンをどうするか考えて行くこととなるでしょう。

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