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ワクチン4回目はどうなる?

[2022.03.21]

今現在も新型コロナワクチン3回目を進めているところですが、政府はすでに4回目接種の想定をしているようです。

https://www.yomiuri.co.jp/politics/20220311-OYT1T50068/

 

3月15日にファイザー社は米国FDAに追加ワクチン接種の申請を行いましたが、今回は65歳以上の高齢者を対象としているので、米国に追従する日本としても65歳以上が対象となると思われます。

 

4回目のワクチン接種によるオミクロン株に対する効果については3月16日のNEJMに載っています。

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMc2202542

 

この論文では医療従事者を対象としていますが、ファイザー社のBNT162b2の4回目の投与を受けた154人とモデルナ社のmRNA-1273を受けた120人を対象としています。

ワクチンを打って無い対照群の抗体レベルは低下し続けましたのですが、ワクチン群では4回目の投与後、両社のワクチンとも、新型コロナウイルスIgG抗体を誘導し、中和抗体価を9倍から10倍に上昇させました。これは3回目の投与後に達成された力価よりもわずかに高い力価になっており、2つのワクチン間に差はありませんでした。両方のワクチンとも、3回目の投与後の反応と同様に、オミクロン株中和の増加を約10倍誘導しました。4回目の投与は実質的な有害事象を引き起こさなかったようです。

 

感染率に関しては、ファイザー社のBNT162b2グループの18.3%およびモデルナ社のmRNA-1273グループの20.7%と比較し、対照グループの25.0%がオミクロン変異体に感染しており、 新型コロナウイルス感染に対するワクチン有効性は、ファイザー社BNT162b2で30%、モデルナ社mRNA-1273で11%となりました。ほとんどの感染者は症状がほとんど無かったようですが、ウイルス量はまずまず多いようでした。ワクチンの症状発症に対する有効性は、ファイザー社のBNT162b2で43%、モデルナ社のmRNA-1273で31%でした。

 

この論文では、ワクチンの4回目の投与が安全であり、症候性疾患に対してある程度効果的であると述べられています。とは言え4回目投与したからと言って、3回目より抗体価が高くなる訳ではないようです。抗体価としては3回目で最高値、4回目で維持することができると示唆されています。

ただ、この論文では健康な若い医療従事者への4回目のワクチン接種は、わずかな利益しか得られない可能性があると指摘しています。高齢者に対する結果は含まれていないので報告待ちとなりますが、やはり今後の4回目ワクチンは高齢者中心に進められていくのかも知れません。

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