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新型コロナウイルス BA.2株 ステルスオミクロンにもブースターを

[2022.02.23]

北京オリンピックが終わってしまいましたね。コロナ渦での開催は、北京の住民の方々もいろいろと大変だったと思われますが、まずは成功なのだったと思われます。オリンピックを目指して、日々想像を超えるような努力を重ねてきた人達が全力で戦っている姿は本当に美しく、勇気づけられます。個人的には高梨沙羅選手、混合団体戦、一度目が不条理な失格となった後の2回目のジャンプです。あの状況、精神状態で、高梨選手の渾身のジャンプ、本当に美しいジャンプでした。メダルを取れても取れなくても、選手達の全力の戦いには勇気をもらいました。皆が一丸となって頑張ることの大切さを改めて教えてもらったオリンピックでした。

 

オリンピックが終わると、またニュースの中心は新型コロナウイルス感染症になってきてしまいます。特に最近では新たなオミクロンの亜種 BA.2株の話題も聞かれるようになりました。このBA.2株ですが、BA.1株より感染力が高いステルスオミクロンと呼ばれています。遺伝子学的な特徴ですが、オミクロン株かデルタ株かの簡易的な判定を、オミクロン株に特異的なスパイクタンパク質の欠失(69_70番目のアミノ酸の欠失)の有無確認で行っているのですが、がBA.2株にはこの欠失がないため、BA.2に感染していたとしてもオミクロン株と同定されなず、そのためBA.2はステルス(=探知できない)オミクロンと呼ばれています。

 

このBA.2株についても国立感染症研究所からも現時点での情報が発表されています。

https://www.niid.go.jp/niid/images/cepr/covid-19/b11529_8.pdf

 

BA.2株についてわかっていることは、感染性について簡単にいうと、

・これまでの流行株と比べてより短い潜伏期間(中央値 2.9 日)

・2 次感染率が高い

・首都圏および関西圏での実効再生産数は 1 月 17 日時点でそれぞれ 1.23 と1.19

と、ややBA.1株より感染率は高くなる傾向があるようです。

 

ワクチン、免疫については

・UKHSAの発表にて2 回接種から 25 週後以降の有効率はBA.1 系統に対して 10%、BA2 系統に対して 18%、ブースター接種 2-4 週後は BA.1 系統に対して 69%、BA.2 系統に対して 74%、ブースター接種 5-9 週後は BA.1 系統に対して 61%、BA.2 系統に

対して 67%、ブースター接種 10 週後以降は BA.1 系統に対して 49%

、BA.2 系統に対して 46%であった。とのことでした。

https://assets.publishing.service.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/1055620/Vaccine_surveillance_report_-_week_7.pdf

 

つまりはこれまでのオミクロン株と同等の効果があると考えて良いでしょう。

2月7日に査読前の論文が米国からでていましたが、この論文ではワクチン接種者の血清で中和抗体価を測定していますが、結果としてBA.2に対する中和抗体力価がBA.1とまずまずにおなじくらいだが、1.3〜1.4倍程度低い傾向にあるとしています。 BA.1株と同様に、BA.2への中和抗体力価の誘導には、BNT162b2(ファイザーワクチン)による3回目の追加免疫が必要としています。また、この結果からBA.2が増えてきているのは免疫学的な問題ではなく感染性が強いためであると書いています。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8845515/

 

重症度については

・デンマークからのデータでは、BA.2 系統と BA.1 系統では入院リスクに違いは認められなかった。

と述べられています。

 

まとめとして、BA.2株に対しては、これからもデータ蓄積は必要ですが、現時点ではBA.1株より感染性が強いことは気をつけるべきであり、我々のできるフルスイングはこれまでの感染予防の継続とブースタワクチンの接種であると考えられます。

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