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新型コロナウイルスワクチンのこれから:3回目接種をひかえて

[2021.11.21]

新型コロナウイルスワクチンの3回目接種、いわゆるブースターワクチンが承認され、令和3年12月1日から令和4年9月30日にかけて施行される予定です。それに加えて日本でも5歳~11歳への接種に対する薬事承認申請がなされており、場合によってはその1回目2回目接種も開始される可能性も高いです。これから益々医療機関でのワクチン業務は重要な感染対策となるでしょう。パンデミック当初は、ワクチンも有効な抗ウイルス薬もなく、重症化した人を救命するために多くのパワーが必要でした。今では有効率の非常に高いワクチンがあり、また抗ウイルス薬も出てきています。可能な限り発症及び重症化を抑制するのがパンデミック克服につながるのは明白と思われます。

 

さて、3回目接種という話になり、発熱や頭痛などの副反応があった人からは、ややうんざりという反応も見られるのは確かです。今後4回、5回ってあるのかな?と言うのが正直な気持ちだと言う人もいます。3回目接種以後はどうなるか、それは現時点ではまだわかりませんが、ワクチンによる予防策は継続されていく可能性があることは考えておかなければならないでしょう。

 

11月11日のNew England Journal of MedicineにThe Future of SARS-CoV-2 Vaccination — Lessons from Influenzaという記事が掲載されています。

https://www.nejm.org/doi/pdf/10.1056/NEJMp2113403?articleTools=true

 

簡単に訳してみますと、

「ワクチンによって、新型コロナウイルス感染者の減少から、デルタ株出現による、感染者の増加によって、ワクチンでのウイルス排除という戦略を見直す必要がある。そのために、インフルエンザウイルスのパターンを再考するのが役に立つ。新型コロナウイルスワクチンは発症抑制に加え無症候性感染も抑制した。そのためウイルス排除の大きな期待があったが、デルタ株はワクチン接種を受けた人々に無症候性感染、もしくは軽症ではあるが感染を引き起こした。それは恐らく、ウイルス増殖略の上昇、中和抗体価の低下、IgAレベルの低下によるものと推定される。こういった変異株の出現を考えると、この新型コロナウイルスを駆逐するのは不可能かも知れず、長期的な戦略が必要となる。そのために、インフルエンザウイルスが適切なモデルとなる。

新たなインフルエンザパンデミックが起きると医療体制を圧迫し、その後新型ウイルスは季節性インフルエンザとして定着、そして抗原変異(変異株の出現)が起こりえり、新たな季節性インフルエンザのタイプに加わっていく。ワクチン戦略の目標は、パンデミックをコントロールし、中等症、重症を予防することである。軽症者の予防も重要だが、必須ではない。インフルエンザワクチンは、抗体価の低下とインフルエンザウイルス変異に対抗するために毎年必要となってくる。インフルエンザウイルスの変異はいつも問題でWHOにてワクチン推奨株を示されるが、有効性は50~60%である。ワクチンは、発生をなくすことではなく、発生を減らし、重篤な合併症を予防することにある。

インフルエンザと新型コロナウイルスは類似点もあるが、相違点もある。新型コロナウイルスワクチンの効果は非常に高いが、いつまで効果が続くかは不明である。しかしながら、ワクチンの追加接種が必要となることは、インフルエンザと同じ理由で明確である。コロナウイルスワクチンの対象となる株はインフルエンザワクチンをモデルとして、世界的に選択される必要がある。今はワクチンは長期的に重要であると考えられる。変異株が出現し続けるため、ワクチン接種者での無症候感染、軽症は出てくる可能性はある。重症者の数や死亡率はワクチン効果のモニターとして重要となるであろう。少ないながらもワクチン接種者での重症者の発生は、抗ウイルス薬などの治療薬の重要性を意味している。

ブースターワクチンの時期は観察研究に基づいて決められる。現在用いたれているmRNAワクチン以外のワクチン、たとえば組み替えスパイク蛋白を用いたワクチンは、特に免疫有効期間などのデータは無い。

いまだ状況は流動的だが、軽症の感染者が低い頻度で発生している今でもワクチンの継続は必要である。インフルエンザウイルスで学んだように、われわれはウイズ コロナを学んでいく必要がある。」

 

となります。

さて、感染者が減少しているとは言え我々は、今後インフルエンザのようにワクチン接種を継続していかなければならない可能性が有ります。

 

ただ、インフルエンザウイルスワクチンは不活化ワクチンのため、発熱、頭痛などの副反応はほとんどありません。ワクチンの接種は大人であれば年1回です。子供は2回ですが。大人が1回となっているのは、これまで実際にインフルエンザウイルスに暴露されている既往があり、その場合細胞性免疫が獲得されていることが考えられるためとされています。

となれば、新型コロナウイルスワクチンのmRNAワクチンは、弱毒生ワクチンではないのですが、疑似的に感染させる、感染を模倣させたメカニズムであるため、細胞性免疫が誘導されます。

つまり、これまでのmRNAワクチンで免疫誘導された人に、副反応の少ない組み替え蛋白ワクチンを3回目以降のワクチン、ブースターとして使用することは戦略として良いのではと考えられます。このワクチンはノバックスのワクチンとして日本でも使えるようになってくるはずです。何度もmRNAワクチンを打つことに抵抗感がある方にも受け入れられる可能性が高いと考えられます。

https://forbesjapan.com/articles/detail/44170

 

今後の動向に注目していきたいと思います。

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