メニュー

米国でXBB1.5感染の増加

[2023.01.14]

CDCの発表で、新型コロナウイルスのオミクロン株の亜型であるXBB.1.5が米国において1月14日までの週で43%にのぼると発表されたとのことです。1月の第1週目では30%を占めており、CDCの予測より多くの感染者が出ているようです。

https://www.reuters.com/world/us/omicron-sub-variant-xbb15-accounts-43-us-covid-cases-cdc-2023-01-13/

 

https://covid.cdc.gov/covid-data-tracker/#traveler-genomic-surveillance

 

もともとXBBはXBB.1.5 は、BJ.1とBM.1.1.1株の組換え体です。誰かの、細胞内にこの2種類のウイルスが入り込み、細胞内で遺伝子組み替えが起きて、新しいウイルスが作成され、細胞外に放出。それが様々な人に広まってきたと考えられます。このXBB株に、スパイク変異 S486P がくわわった XBB の亜系統がXBB.1.5となります。XBB系統は主に5つの亜系統(XBB.1~5)が派生していますが、ほとんどがXBB.1系統です。

 

このXBB.1系統のウイルスの細胞内への侵入効率をBA1、BA5株と比較した論文が出ていました。この研究では偽ウイルス粒子を用いていますが、BA5のスパイク蛋白はBA1と比較して2.2倍~5.3倍細胞に侵入効率が高く、一方、XBB.1 スパイクタンパク質では BA.5比較して細胞侵入効率が(1.7 ~ 3.9 倍大幅に低下していると報告されています。

一方、ワクチンを3回打った後の血漿を用いた中和実験ではB.1に対する中和活性は高く、BA.5 に対しては中程度 あったのに比較してXBB.1に対しては中和活性をほとんど持たなかったと報告されています。ワクチン後BA5にブレイクスルー感染した血漿ではXBB.1に低い中和能が認められました。基本的にはXBB.1細胞への侵入がBA.5比較して減少した一方、XBB.1は抗体を介した中和を回避する能力が増加していると言えるようです。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9815825/

 

この結果はXBB.1 による研究でしたが、XBB.1.5については、人の細胞の受容体であるACE2と高い親和性があると考えられています。

https://www.ecdc.europa.eu/en/news-events/update-sars-cov-2-variants-ecdc-assessment-xbb15-sub-lineage

 

日本でもXBB.1.5が確認されてきており、今後の状況がどうなるか、注意が必要です。

https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20230112/2000069853.html

 

一応、オミクロン対応ワクチンはXBB.1に対しての抗体はできますので、今できることととしては、オミクロン対応ワクチンの接種と言うことになるでしょう。

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMc2214293

 

無論、このオミクロン対応ワクチンでもXBB.1.5は免疫を回避する可能性があるので、これまで通りの感染予防策は継続して行きたいところです。

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME