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尿管結石について

尿管結石は、腎臓で作られた結石が尿管内に流れ落ち、腎で作られた尿が尿管を通って膀胱内におちる「流れ」がせき止められて、尿の停滞・貯留によって腎(腎盂)がはれて、激しい痛みをおこす疾患です。痛みの程度は激烈でしばしば救急外来に運ばれてくることがあります。

尿管結石の症状

通常、右か左(結石がある側=腎臓がはれている側)の急激な側腹部痛~背部痛で発症します。この状態を水腎症といいます。痛みが強いため、尿管結石を経験したことの無い方は、救急車で大病院へ運ばれることも多いのですが、結石が出てしまうと、急激に痛みは消失し、何でも無くなってしまう例はよく経験します。

 

日本泌尿器科学会「こんな症状があったら・腎臓のあたりが痛む」

 

尿管結石の診断・検査

検尿によって尿潜血や血尿を認め、超音波検査にて腎盂が尿の貯留によってはれている水腎症の存在、単純レントゲン写真で結石陰影を認めるなどで診断は可能です。レントゲンによる結石陰影については尿酸結石、キサンチン結石の場合などでは、陰影を認めないこともあります。その場合CTにて診断が可能になります。血尿、水腎症を認めてもレントゲンで陰影を認めない場合は、極小さな結石か、レントゲンで映らない結石であるか鑑別を要します。レントゲンでもCTでも結石陰影のない水腎症の場合は腫瘍性疾患なども考慮すべきで、精査が必要となる場合もあります

 

尿管結石の治療

まずはあ痛みのコントロールになります。水腎症に対して、疼痛コントロールするための座剤や内服薬で対処します。根本的な治療として、石の大きさが8mm大程度までなら、自力で排出させることができることが多いですが、大きな結石は手術が必要になる場合があります。

自排石が期待できる場合、水分の摂取量を増やして、利尿効果により排石を試みたり、排斥促進剤の内服で効果を診ます。石が出るまでの期間は、石の大きさや場所により幅がありますが、あまり長期間排出しない場合は、水腎症のある方の腎機能低下が心配ですので、早めに対処し他方が良いでしょう。

自排石できない結石の場合、手術療法によって結石を摘出することとなります。一般的な方法として、体外衝撃波ESWLや経尿道的尿管結石破砕術TULがあります。体外衝撃波ESWLは体の外から衝撃波を当てて内部の結石を砕き、排出させる方法です。多くは外来通院で治療可能ですが、大きな結石の場合、膀胱から尿管まで細い管(尿管ステント)を挿入することがあります。体外衝撃波ESWLでは一回で破砕されるかどうかは結石の大きさ、堅さによりますので何度かの通院が必要となる場合も多いです。経尿道的尿管結石破砕術TULは基本的に入院が必要で、麻酔下に尿管鏡を挿入し、直視下にレーザーを用いて結石を破壊します。直視下に見ながら砕石するので、ほぼ確実に石を砕くことができます。最近では開腹手術による結石を摘出する例はほとんどなくなっています・

 

結石の予防

結石の成分は、シュウ酸カルシウムが最も多く、再発予防のために、シュウ酸の多く含まれる食べものを摂取するときには、カルシウムを多く含むものも同時にとるとよいとされています。シュウ酸を多く含む食品としては,葉菜類の野菜,タケノコ,紅茶,コーヒー,お茶(とくに玉露・抹茶),バナナ,チョコレート,ココア,ピーナッツ,アーモンドなどがあります。これらの食品を摂取するときにはカルシウムを(たとえば、ほうれん草には小魚や鰹節。紅茶に牛乳を入れるなど)取るように工夫すると良いでしょう。尿酸結石の場合にはやはり高カロリーの食品を避けること、クエン酸の多く含まれている食物を摂ることがおすすめです。クエン酸の多い食物として梅干しがあげられますが、塩分も多いので注意は必要です。詰まり、尿管結石も生活習慣病のひとつに入ると考えられます。出来るだけ予防するに超したことはありません。

他に、水分を多めにとることも重要です。水分を多く摂り、尿を薄めておくことで、結石が出来にくくなります。小さな結石も排出されやすくなります。特に猛暑の時など、脱水になりやすい時期に一致して尿管結石の患者さんが増えますので、やはり多めの水分摂取は大事です。とはいえ、紅茶、コーヒー、抹茶などシュウ酸成分が多い飲み物も注意です。ほうじ茶はシュウ酸が少ないので工夫しながら水分を摂っていきましょう。

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