腎臓の病気
腎臓は尿を生成を通じて、体の中にたまった老廃物や余分な水分を外へ出して、血液をきれいにする機能があります。また、赤血球の生産をうながす「エリスロポエチン」やレニン、プロスタグランディン、カリクレイン、キニンなどの血圧を調整するような、ホルモンをつくって分泌しています。
腎臓疾患
腎臓の病気には主に下記のようなものがあります。
- 急性腎不全
- 慢性腎不全
- 腎盂腎炎
- 急性糸球体腎炎
- 慢性糸球体腎炎
- 腎臓癌
- 腎結石
- 尿管結石
- ネフローゼ症候群
- IgA腎症
腎臓の機能が悪くなった時の症状
- むくみが出る
- 尿量が少なくなった
- 夜間にトイレに行く回数が増えた
- 尿の回数が増えた
- だるさが抜けない
- 貧血による動悸や息切れ、めまいや立ちくらみがでる
- 発疹がないのに体にかゆみがある
腎臓の病気になると、上記のような症状が現れることがあります。放置しておくと、生命に危険を及ぼす恐れもあります。特に最近では、生活習慣病から腎機能が低下してきている方が増えてきています。腎機能を保つためには、高血圧、高血糖、高脂血症の是正が必要な場合が多いので、検診などで異常御を指摘された場合、早めにコントロールすることが必要となります。病状が進行すると、最悪、人工透析や移植などの必要が出てきますので、上記にあるような症状が出たら、早めに当院にご相談ください。
腎臓にできる癌
腎臓にも癌ができることがあります。初期や癌が小さいときは手術療法で治ることが多いです。癌ができたことに気がつかないままでいると、血尿や腰痛、おなかに堅いものが触れるなどの症状が出てくることがあります。癌が進行すると、腎静脈、下大静脈に腫瘍が進展したり、肺や骨に転移することがあります。こうなると、手術療法だけで完治するのはなかなか困難になってきます。しかし最近では、オプジーボやヤーボイという治療薬が出てきています。オプジーボは京都大学の本庶 佑先生がノーベル賞を受賞して脚光を浴びましたが、自己の免疫細胞を利用した画期的な治療法になります。通常、がん細胞は自分の免疫細胞からの攻撃を避けるような機構が働くのですが、オプジーボはそれを阻害して、免疫細胞ががん細胞を攻撃できるようにします。この治療がうまくいけば劇的な効果がみられ、実際に癌が消失する例も経験されます。
とはいえ、この治療法も重篤な副作用が表れる場合があります。やはり早期発見に勝る方法はないと考えられますので、人間ドックなどで、腎臓の超音波検査を定期的に受けられると良いでしょう。