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増えるインフルエンザ感染、コロナは減少

[2023.11.01]

インフルエンザウイルスも、新型コロナウイルスも5類感染症となり、定点把握となったため、報道で見る機会も減ってしまい、現在どの程度感染が広がっているか、わかりにくくなっているかも知れません。

国立感染症研究所では週間の報告数をまとめて発表しています。

https://www.niid.go.jp/niid/ja/data.html

 

直近のデーター、2023年42週(10月16日~10月22日)のインフルエンザウイルスと新型コロナウイルス感染症の報告数を見てみますと、全国総数でインフルエンザは定点あたり16.41人でしたが、新型コロナウイルス感染は定点あたり3.25人になっています。

福島県に限って言えば、インフルエンザは定点あたり27.09人でかなり多くなっています。もうすぐ警報レベルです。新型コロナウイルス感染は定点あたり4.93人であり、やはり現時点ではインフルエンザウイルス感染症が多いようです。

 

現在、インフルエンザワクチン接種が進んでいますが、毎年インフルエンザワクチン株はA型2株、B型2株が選択されます。この2株は、ウイルス分離株の状況や抗体保有率のデーター解析などから決定されるものですが、もちろん他の株が流行することもあり得ます。

 

2019年から2020年に米国において流行したインフルエンザウイルス感染において、ワクチン株と外れてしまった感染におけるワクチンの効果を検討した論文が有ります。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35024795/

 

この研究では米国17 の病院で、急性呼吸器感染症で集中治療室に入院している 18 歳未満の小児をエントリーし、ワクチン一致とワクチン不一致を調べたところ、A/H1N1pdm09ウイルスのうち、29(52%)がワクチン不一致(A/H1N1pdm09/5A+156K)、23(41%)がワクチン一致(A/H1N1pdm09/5A+187A,189E)でした。 B 型ウイルスの大多数 (30/31) はワクチン不一致でした。この中で重篤なインフルエンザに対する有効性は63%であり、生命を脅かすインフルエンザ(life-threatening influenza)に対しての有効性は75%、生命を脅かさないインフルエンザに対しては 57%となっています。また、ンザに対しては 57% (95% CI、24% ~ 76%) でした。 また、一致する A型インフルエンザウイルスに対して の有効性は、78%、不一致の A型インフルエンザウイルスに対して は47%、および 不一致の B型ウイルスに対する有効性は75% でした。

A型インフルエンザの型が合わないと、やや有効性は下がりますが、ワクチン不適合のインフルエンザウイルスの流行でも、ワクチン接種は小児における重篤かつ生命を脅かすインフルエンザ疾患のリスク低下と関連していると結論しています。

また、最近のちょっと面白い論文では、癌に対して手術した患者に術後インフルエンザワクチンを接種することで、全死亡率、癌特異的死亡率が下がるという論文がでていました。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33058148/

 

この研究はデンマークで行われており、2010年1月1日から2015年12月31日までの期間、手術後180 日から3 年間の追跡した結果です。この研究では合計21 462人の患者が参加し、2,557人の患者が手術後6か月以内にインフルエンザワクチン接種を受けました。

調査の結果、全死亡率 ( [HR] = 0.89、P = 0.03) およびがん関連死亡率 (HR = 0.82、P = 0.03) が減少していました。術後 30 日以内にワクチン接種を受けた患者では、全体の死亡率 (HR = 0.82、P = 0.007) およびがん特異的死亡率 (HR = 0.70、P = 0.009) が減少し、術後30日から6ヶ月に接種した人では認められませんでした。

この研究ではインフルエンザワクチンが免疫システムを刺激して抗腫瘍効果が出るのではないかと言うところから来ているようです。

https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.4161/onci.26618

 

免疫システムは複雑ですので、証明されれば面白いですが、もっと癌特異的に有効なワクチンが出てきたら、もっといいのかも知れませんね。

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