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新型コロナウイルス感染JN1の増加

[2024.02.12]

新型コロナ感染症が5類になって、年末年始には忘年会や新年会が盛んになってきており、街に活気が戻ってきているのを感じます。その影響もあるのか、最近ではまた新型コロナウイルス感染症が増加してきています。

2024年1月29日~2月4日の福島県での集計データーを見てみると、郡山市での新型コロナ感染者は定点あたり28.62人となっています。2024年に入ったばかりは定点あたり13.38人でしたので、ほぼ倍増といった所です。

ただ一方インフルエンザウイルス感染はやや減少、年始は定点あたり10.77人であったのが、その後14.15人まで増加したものの直近では8.15人となっています。

https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/613530.pdf

 

現在世界的に流行している新型コロナウイルスの株はBA.2.86の子孫株であるJN.1となっています。ただ、現時点では、JN.1 がより重篤な疾患を引き起こすという証拠はないとされています。2024 年 1 月 5 日の時点で、JN.1 は現在流行しているすべての SARS-CoV-2 変異株の約 62% (範囲 55 ~ 68%) を占めると推定されており、増加しています。また、世界中のほとんどの地域も同様に、JN.1 の有病率の上昇を認めています。

https://www.cdc.gov/respiratory-viruses/whats-new/JN.1-update-2024-01-05.html

 

JN.1はBA.2.86と比較し、スパイクタンパク質の455番目のアミノ酸がロイシン(L)からセリン(S)に置換された変異(S:L455S変異)で、変異株EG.5.1より高い伝播力を持っていて、ワクチン接種により誘導される中和抗体に対して高い回避能を有していることを報告されています。

https://www.thelancet.com/action/showPdf?pii=S1473-3099%2823%2900813-7

 

また、ワクチン接種をしても、時間経過と共にウイルスに対する防御能が低下して来ることも予想されます。しかしながら米国CDCによればワクチン接種を受けた人や、新型コロナウイルス感染症に感染した人は、ほとんど重篤な新型コロナウイルス感染症からある程度は保護されると述べています。CDC のデータによれば、新型コロナウイルス感染症ワクチンが最長 2 年間、人工呼吸器の装着が必要になるほどの重篤化や死亡を防ぐのに役立ち、二価の新型コロナウイルスワクチンが有効であることを実証しているとのことです。

https://www.cdc.gov/respiratory-viruses/whats-new/covid-19-vaccine-effectiveness.html

 

今年3月まで施行されているXBB.1.5 ワクチンは、最近のCDCの発表によればJN.1 およびその他の株の感染から保護することが示されたとしています。

https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/73/wr/mm7304a2.htm

英国でのワクチン接種回数と重症コロナウイルス感染との関連を解析した論文では、接種回数の減少と重症化に関連が認められています。2022年時点でのデータ解析となりますが75歳以上の年齢層を対象としたメタアナリシスにおける重症新型コロナウイルス感染症転帰のハザード比は、推奨回数より1回少ないと2・70、2回少ないと3・13、3 回少ない場合は 3.61、4 回少ない場合は 3.08となっています。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38237625/

 

これらの事から考えると、これまでのワクチンを受けて、さらに今期のXBB.1.5 ワクチンを接種しておけば回数的にも十分ですし、JN1に対しても現時点では安心かなと考えます。

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