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帯状疱疹ワクチン 令和7年4月から定期接種

[2025.01.19]

昨年に開かれた第65回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会において、帯状疱疹を予防接種法のB類疾病に位置付け、帯状疱疹ワクチンの定期接種となることが決まりました。原則65歳を対象に定期接種が開始されるようになります。

 

帯状疱疹は水痘帯状疱疹ウイルスの再活性化によっておこる疾患です。水痘帯状疱疹ウイルスは、簡単に言うと「みずぼうそう」をきたすウイルスです。ひとがみずぼうそうにかかった後、背骨の中にある脊髄の後根神経節内にウイルスが潜伏するといわれております。ウイルスの不思議なところがその潜伏感染で、どんな形で潜伏しているのかはよくわかっていません。ゲそして後根神経節内に潜伏感染していた水痘帯状疱疹ウイルスが何らかの誘因で、再活性化して発症するのが帯状疱疹です。その誘因としては加齢・過労など免疫機能の低下です。ウイルスが再活性化されると神経節内で増殖し、知覚神経を通って表皮に達し、表皮細胞に感染し増殖し、赤い丘疹や水疱が神経の走行に沿って帯状に出現します。

知覚神経は脊髄から左右に神経が走行しています。それに沿った発疹が出るので「帯状」であり、発疹としては水泡ができるのが特徴ですので「疱疹」です。

 

症状の典型例では、発疹の出る数日前から片側の神経分布領域に一致して神経痛様疼痛や痒みが出現、その後神経分布領域に一致して紅斑、水疱が多発します。

痛みの大部分は皮疹の治癒といっしょに消失しますが、一部の症例では皮疹治癒後にも痛みが残り、疼痛が続く場合があり、これを帯状疱疹後神経痛といっています。そのため、早期に帯状疱疹発症の場合、早期に抗ウイルス薬の投与が必要とされています。

 

ただやはり帯状疱疹後神経痛を防ぐためには帯状疱疹の発症を防げばよいので、やはり予防接種は重要です。

 

今年からの定期接種には2種のワクチンが使用可能です。乾燥弱毒生水痘ワクチン又は乾燥組換え帯状疱疹ワクチンです。

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001357453.pdf

 

この二種を比較したら組み換えワクチン(シングリックス)のほうが長期の高い予防効果が示されており、分があります。ただ、2回接種しなくてはならないことと、高価であることには注意です。

 

定期接種に入ることで、どのくらいの費用で受けられるのか、シングリックスを希望したとき2回目も補助が出るのかなど、まだ詳細が分かっていません。同じ負担であればシングリックスのほうがよいでしょう。今後の発表待ちとなります。

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