今年のコロナワクチンはJN1 現在流行しているのはKP3
現在、新型コロナウイルス感染は流行期にあると考えられます。報告数で言えば今年の1月~2月の流行時と同程度のようです。
https://www.niid.go.jp/niid/images/epi/covid19/jpg/EN_Fig1_teiten.jpeg
最近はニュースでもあまり聞かなくなっている新型コロナウイルス感染ですが、知り合いの診療所の先生から聞くと、老健施設などでもかなりの流行が見られているようです。郡山市での定点報告数でもここ3週ほどは急激な報告数の上昇が見られているようです。
https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/21045i/covid19-data.html#teiten
新型コロナウイルスワクチンは完全に感染を防ぐことは出来ないかも知れませんが、重症化を抑制することは可能です。今年からは定期接種となりますが、ワクチンはこれまで使用されていたXBB1.5からJN1対応のワクチンになるようです。
厚労省から出ている情報としては
接種時期:令和6年10⽉1⽇〜令和7年3⽉31日の間で各自治体が設定する期間
接種回数:初回接種と追加接種の区分を設けず、原則として1回接種
使用ワクチン:JN.1系統及びその下位系統へのより高い中和抗体を誘導する抗原を含むこと」に対応するワクチンとして薬事承認を受けたもの
と、されています。
https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/001266569.pdf
近年世界中で報告されている新型コロナウイルス株はオミクロンKP.3株、オミクロンLB.1株、オミクロンKP.2.3株と言われています。これらの株はオミクロンJN.1株の子孫ではあるのですが、これまでの株と比較して、免疫回避能が高く、また感染伝播力が強い事が報告されています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38945150/
実際、CDCの報告を見てみますと、2024年5月に多く見られていたJN1株は8月にはほとんど姿を消して、KP.3、KP.3.1.1、LB.1、KP.2.3株が大部分を占めています。
https://covid.cdc.gov/covid-data-tracker/#variant-proportions
驚くほど短期間で入れ替わっているのが見て取れます。
コロナウイルスの系統樹を見てみますとこれらのKP.3、KP.3.1.1、LB.1、KP.2.3株はJN.1 株の子孫である事がわかります。そのため米食品医薬品局(FDA)は米国で使用する新型コロナウイルスワクチンを「JN.1」系統に対応させるよう勧告を出していますが可能であれば、「KP.2」に対応できることが望ましいとしているようです。
現在使用されているRNAワクチンは製造も早めに対応できるので、今年のワクチン株にどの程度の種類が導入できるか不明ですが、JN.1がメインになる事は間違いないようです。今の流行状況と流行株の状況からJN.1 ワクチンは一度は接種しておいていいかもしれません。