コロナワクチンはデルタ株に有効
福島では一足早くオリンピックが始まり、福島市の県営あづま球場で行われたソフトボールでは、上野選手が先発しオーストラリアにコールド勝ちをおさめました。今日のメキシコ戦でも劇的なサヨナラ勝ちでした。また、高倉監督、遠藤選手と、福島県ゆかりのメンバーが活躍するなでしこジャパンはカナダ相手に、1点リードされた状態から後半に追いつき、ドローに追いつきました。テレビで岩淵選手の同点ゴールを見ていましたが、気持ちが大いに高ぶりました。昨年からコロナ渦の閉塞感のある日常が続いています。当初は楽しみに見ていたドラマの撮影が延期されたりもしていました。コロナ渦においては、エンターテインメントはさしあたって必要があまりないものとしての認識でした。でも、そんな中、私は特にお笑いは見るようにしていました。アマゾンプライムの過去のM-1グランプリは何回も見ました。車の中では好きな音楽を集めて流していました。そして今年はオリンピック。みんながこの閉塞感から抜け出したいと思っているこの時代、「こころの健康」のために、お笑いや音楽、そしてスポーツの感動はとても有用だと思っています。お酒も開放感を味わうのにはいいのかもしれませんが、ウイルスの拡散など、マイナスな面も有りますから、一定のルールを守っての行動は必要です。オリンピックでは徹底した水際対策をお願いしつつも、日本選手団の活躍を期待したいと思います。
さて、日本でも新型コロナウイルスのデルタ株の拡散が明らかとなっています。現時点で日本でのワクチンを2回接種した人は23%です。比較して、米国は48%、フランスは42%、英国は53%でイスラエルは61%です。
https://ourworldindata.org/covid-vaccinations
世界平均の13%よりは多いですが、ワクチンの接種完了率はまだまだだと思われます。
そんななか世界中で、ワクチンの有効性が下がる可能性があるデルタ株に置き換わってきている状態ですが、7月21日のNEJMにデルタ株に対するワクチンの有効性についての論文が出ていました。
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2108891?query=featured_home
この論文によると、ファイザー社のワクチンもしくはアストラゼネカのワクチンを一回打った人においての有効性はアルファ株に対しては48.7%であり、デルタ株に対しては30.7%と低下していました。しかし、2回接種した人においての有効性はアルファ型では93.7%、デルタ型では88%でした。デルタ型ではやや低下していますが、ワクチン2回接種において有効性は十分確保されているようでした。
論文ではPCRの感度、特異性によっては影響を受ける可能性があるという制限があるとはいえ、やはり現時点ではワクチンをきちんと2回打っておくと言うのが、良いようです。
先日は中外製薬の抗SARS-CoV-2モノクローナル抗体「ロナプリーブ」が承認されました。これはSARS-CoV-2に対する2種類のウイルス中和抗体カシリビマブおよびイムデビマブを組み合わせた製剤で、COVID-19重症化リスク因子を持つ外来患者さんの入院・死亡リスクを低下させるとともに、重症化の抑制と症状消失までの期間短縮が臨床試験において示されているとのことです。
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20210719220000_1129.html
前回書きましたが、人体においての抗ウイルスの免疫は、液性免疫と細胞性免疫が有ります。このうち、中和抗体は液性免疫にあたります。つまり「ロナプリープ」は、感染時に液性免疫を補充する役割になります。もちろん、ウイルス感染克服にはウイルス感染細胞を破壊する細胞性免疫が重要です。液性免疫のみならず細胞性免疫も誘導できる、ファイザー社やモデルナ社のRNAワクチンは、非常に有効な手段だと言えるでしょう。