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第55回EBM研究会 梅毒・郡山市の現況

[2023.11.15]

本日は、郡山病ビューホテルにおいての第55回EBM(Experience Based Medicine)研究会で梅毒についての講演を行ってきました。

このEBM研究会は、郡山市の平成12年10月に発足した研究会で、開業医・勤務医でそれぞれ症例を発表し、自由闊達な討論をすると言う会です。

今回はひろさか内科の廣坂 朗先生からお話をいただき、「郡山市における梅毒感染の現状」についてお話してきました。

梅毒に対するお話は、郡山医師会の梅毒研修会、福島県病院薬剤師会会津支部学術講演会についで今年3回目です。梅毒に関する話としての内容はとして大体同じなのですが、今回はEBM研究会の趣旨に沿って、当院での症例もお話いたしました。

 

郡山市の現況としては以前に梅毒研修会で保健所から発表されていたスライドの資料を使わせていただいたのですが、加えて本県の市町村別の報告数も比較して見ました。梅毒の報告数は大都市で多い傾向でなのですが、東北6県では宮城県を超え、福島県が最も報告数が多くなってます。これは意外でした。お隣の山形県では期間中数例にとどまっているのに比較して福島県では30例以上です。そして、福島県の中で最も報告数が多いのが郡山市となっています。次がいわき市です。福島県内でも、やはり人口密度の低い地域は報告数がグンと下がります。男性は20~50代で多いのですが、女性は20代が突出して多く、やはり若い人の人口が多い都市部に報告数が集中するのだと思われます。

 

本日は、当院での症例も何例かお話させていただきましたが、梅毒に感染する人は、なにも風俗へ行って感染している人ばかりではありません。利用歴が不明な人は除きますが、男性では50%以上、女性では30%前後の人が風俗を利用したか、従事歴があるようです。

逆を言えば、それ以外の人は風俗の利用が無い人であるとも考えられます。

実際、当院受診の人には風俗利用がないどころか、普通に友人との行為があっただけなのに感染してしまった人もおります。つまり、感染は一般社会に広がりつつあると言うことでしょう。また風俗業に従事している女の子も、コロナ渦になってから、いろいろな事情が有り、生活が苦しくてと、言う人もいるようです。こればかりは医療では解決できない問題です。

いま、コロナ渦以前の生活が戻って来ていますが、傷ついた経済状態が完全に戻る前に、価格上昇が起こっている様な感じもします。難しい舵取りが必要になってくるかも知れません。

 

EBM研究会では、懐かしい先生がたにも久しぶりに再会したり、他科の先生の症例発表が思いのほか楽しく聞けたりました。有意義な会でした。

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