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COVID-19ワクチンに関する提言 日本感染症学会

[2020.12.30]

英国では新型コロナウイルスワクチンがはじまったとは言え、変異株を中心にいまだ感染状況は深刻です。ワクチンについては、来年には日本で始められるように体制を整える動きが出てきています。高齢者や医療従事者をはじめとして、全国民が接種可能となるようになると考えられます。

もちろん、このときは強制的な接種ではなく、同意を得られた方に対してワクチンを接種すると言うことを厚労省はHPに明記しています。撃ちたくない人はやらなくとも良いこととなりますが、接種する/しないは、リスクとベネフィットをよく考慮し各人が判断する様になります。このとき判断材料となるのは正確な情報です。

先日、日本感染症学会より「COVID-19ワクチンに関する提言(第1版)」が掲載されました。学会でも「ワクチンも他の薬剤と同様にゼロリスクはあり得ません。私たち一人一人がその利益とリスクを正しく評価し、接種するかどうかを自分で判断することが重要です。」と述べています。提言の中にはこれまでのワクチンに関する情報が記載されています。今後も情報は更新されると思われますが、常に正しい情報を基に判断するようにしたいと考えます。

 

https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/guidelines/2012_covid_vaccine.pdf

 

これまでも報道でありましたように、有効率に関してはファイザー、モデルナ、アストラゼネカ社のワクチンは90~95%の高い有効率を示していました。このうちファイザーとモデルナ社のワクチンはmRNAワクチンです。mRNAワクチンは筋肉内注射で投与され、筋肉細胞や樹状細胞の中でmRNAをもとに新型コロナウイルスのスパイク蛋白が作られ、生成されたタンパク質の一部がリンパ球に提示され、免疫応答が起こるシステムです。さらに、我々の細胞内にはウイルスRNAにような非自己RNAを探知してシグナルを伝える分子(RIG-Iなど)が存在し、これらシグナルからインターフェロンなどのサイトカインが誘導されます。インターフェロンなどのサイトカインは抗ウイルス免疫賦活作用があり重要です。新型コロナウイルスのある蛋白は、RIG-Iなどを抑制してインターフェロンなどの抗ウイルス活性をもつサイトカインを抑制し、重症肺炎をおこす可能性も指摘されています。

 

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33372174/

 

多くの人が心配されるのは、ワクチンの副反応だと思います。提言の中で副反応について、それぞれのワクチンでの発症率をまとめてあります。どのワクチンも局所の疼痛が70~80%と高率のようで、倦怠感、頭痛などの全身症状も30~40%に認められるようです。2回目接種の時の副反応もほぼ同様です。これらの結果はまだ現時点でのワクチン接種者におけるデーターですので、今後接種者が増えると共に、副反応の割合や重症度なども変わっていくかも知れません。何万人とワクチンを撃てば重症な副作用が出る人も出てきてもおかしくはないし、また報道もされるでしょう。ただ、それだけでワクチンが危険と判断されるものかどうかは、きちんと見極めておかなければなりません。最終的には自分で判断することになると思いますが、その際は信頼できる情報をもとに判断するようにするのが賢明と思われます。

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