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デルタ株とワクチン

[2021.06.27]

新型コロナウイルスはRNAウイルスであり、常に変異を繰り返しています。変異株の中には現在広がっているデルタ型のように瞬く間に広がっていくタイプがあり注意が必要になります。

変異株の呼び方は、以前はイギリス型やブラジル型など、報告された地域の名前をつけて呼んでいましたがWHOは特定の国の名前をつけることが差別につながる恐れがあるため、以下のように新たな名称に変更することとなりました。

α(アルファ)株:イギリスから報告されたN501Y変異が報告された株

β(ベータ)株:南アフリカから報告された株、N501Y+E484K

γ(ガンマ)株:ブラジルから報告された株

δ(デルタ)株:インドから報告された株L425Rが主な変異の株

です。

 

このウイルス変異ですが、どこで起きるかというと感染した人の細胞内でおこります。ウイルスの生活環は、まず、ウイルスが人の細胞内に侵入し、その後ウイルスの核酸=コロナウイルスの場合ウイルスRNA、になりますが、このウイルスRNAは人の細胞内で大量に合成されます。この大量のRNAを合成する時に、一部ミスが生じてしまい、そのミスしたRNAを持ったウイルスが変異ウイルスとして細胞の外に放出され、次の人に感染していきます。このミスが入ったウイルスの感染力や病便性が強力な場合、次々と感染し、このミスが入ったウイルスがさらに増殖していくことになります。つまり、人から人へ次々と感染、増殖を繰り返している間に、人の体の中で変異をおこしていくのですから、この変異ウイルスの出現を防ぐためには、感染者を減らすことが重要です。つまりは、ワクチン接種をできるだけ早く進めることになるでしょう。

 

今月のNatureの論文でもワクチンを2回接種した人からの血清におけるデルタ株を含む変異株を中和したと報告されています。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34111888/

 

他にもデルタ型に対する、ワクチンの効果を研究した論文はありますが、実験レベル=研究室内でのウイルス中和を調べる実験では、ワクチン接種を受けた人の血清を使ったウイルス中和能力は、従来株に対するそれよりは劣るものの、ワクチンの2回接種は、いまだ高い抑制効果を示しています。

https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(21)01358-1/fulltext

https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(21)01290-3/fulltext

https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2021.05.22.21257658v1

最近の報道でも、アメリカ西部ロサンゼルスの保健当局から、感染力が高いとされるインド型変異ウイルス=「デルタ株」の感染者について、およそ9割がワクチンを接種していなかったと発表されています。ワクチンの重要性が指摘されます。

https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4300854.htm?1624775046340

イスラエルでもまた感染者が徐々に増えてきているため、マスク着用が再開されているようです。変異株の影響と考えられますが、イスラエルでのワクチン2回接種した割合は6割なので、残り4割は、変異株に対する十分な免疫が得られていない可能性が高いです。

もちろん、ワクチンの効果は100%ではないですし、ワクチン接種者でも感染してしまう、いわゆるブレイクスルー感染もあり得ることです。

https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/70/wr/pdfs/mm7017e1-H.pdf

 

しかしながら、ワクチンの効果が非常に高い事は変わりませんので、できる限り多くの人がワクチンを接種して、ウイルスの増殖する場(=人間の細胞)にウイルスが入ることを抑制する事が、さらなる変異株の発生を抑制する事につながります。

ウイルスの変異との競争です。

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