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WHO事務局長 「パンデミックの終わりが視野に」

[2022.09.18]

先日 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長が新型コロナウイルス感染症のパンデミックについて「終わりが視野に入ってきた」と発言しました。新型コロナの死者数が流行初期の2020年3月以来の低水準になったことをうけてもの発現のようです。

https://news.un.org/en/story/2022/09/1126621

 

無論、気を緩めることなく、感染対策継続をすることを推奨しています。マラソンにたとえて、今走るのを辞めてしまうのは最悪の選択だと述べています。

確かにWHOのデーターを見てみると、新型コロナウイルス感染による死亡数は2021年1月18日の102,116人に比較して、2022年9月5日では11,726人まで、約1/10に減少しています。現時点でこれまで全世界での感染者数は608,328,548人、 約6億人ですが死亡者数は6,501,469人、約650万人です。つまり死亡率は約1%となります。

https://covid19.who.int/

 

これは初期の株やデルタ株のデーターも入ってますので1%ですが、最近はオミクロン株が主流ですのでやや数字は異なってきます。日本での厚労省からの発表では新型オミクロン株流行期の死亡率は60歳以上で1.99%、60歳未満で0.01%です。季節性インフルエンザウイルス感染は60歳以上の死亡率は0.55%ですので、60歳以上では、新型コロナウイルス感染の死亡率は季節性インフルエンザ感染のそれの4倍弱と言うこととなります。

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000964409.pdf

 

それでも、デルタ株の流行期よりは低くなっているのは確かで、ワクチンの普及とウイルス株そのものが弱毒化傾向にある事も無関係ではないと考えます。

また、最近の論文で、BA.1/BA.2の感染既往がある人は、初期の株やほかの変異株の感染既往よりも、BA.5に対する高い防御効果を有していることが報告されています。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36044619/

 

既感染ウイルス株によるBA5感染予防効果効果は武漢株:51.6%、アルファ株:54.8%、デルタ株:61.3%に対してオミクロン株BA.1/BA.2では75.3%と高くなっています。

https://www.nejm.org/doi/suppl/10.1056/NEJMc2209479/suppl_file/nejmc2209479_appendix.pdf

 

こういったことも、今後BA.5感染感染者減少に貢献するのかも知れません。

しかしながら、WHOの発表はあくまで全世界を俯瞰で見ていてのものと思われます。感染のコントロールにはそれだけではなく、いわゆるローカルデーターも重要です。日本では日本のデーター解析をもとに感染管理を継続していくことが重要でしょう。

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