オミクロン対応2価ワクチンはXBB1.5にも予防効果
新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけを季節性インフルエンザと同等の「5類」に移行する日を、5月8日とする方針を固めたと報道が有りました。新型コロナウイルスは、特にオミクロン株が主流となった現在では感染力がインフルエンザよりは強いので、感染は広がるかも知れません。ただ、以前のデルタ株などよりは重症化率が低いことから、ワクチンで重症化予防をしつつ経済を立て直していくと言うことかと思われます。
感染力の強さの理由として、日本大学歯学部感染症免疫学講座からオミクロン株感染者の唾液中には、宿主細胞に付随していない裸のウイルス(セルフリーウイルス)が、従来株やデルタ株よりも高比率に含まれていることを報告しています。
https://www.dent.nihon-u.ac.jp/topics/2023/01/310/
セルフリーウイルス=ウイルス粒子そのものであり、裸のまま放出される粒子は非常に軽いため、飛沫感染と言うよりはエアロゾル感染もしくは空気感染に近く、長く空気中を漂うと考えられ、その場合感染率は高くなります。
現在米国では新型コロナウイルスのバリアント、XBB1.5の率が49.1%まで急上昇しています。
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/covid-data/covidview/
日本でも検出されているので今後注意は必要になりますが、懸念点としてあげられるのは、XBB1.5はワクチンによる免疫から逃れやすいと言うことでしょう。
先日CDCからオミクロン対応2価ワクチンの追加接種がXBB.1.5に効果を示す事を報告しました。
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/72/wr/mm7205e1.htm?s_cid=mm7205e1_w
この報告では2 価ブースター接種の2 ~ 3 か月後の相対 ワクチン効果 は、2 価ブースターなしの場合と比較して 18 ~ 49 歳の人では、症候性 BA.5 感染に対して 52%、症候性 XBB/XBB.1.5 感染に対して 48% だったとのことです。
年齢別では症候性 XBB/XBB.1.5 関連感染に対する VE は、18 ~ 49 歳で 49%、50 ~ 64 歳で 40%、65 歳以上で 43% でした。
XBB.1.5は従来の免疫を回避することが指摘されていましたが、XBB.1.5に対するワクチン効果は、オミクロン対応2価ワクチンで予想よりかなり効果が出るようなです。現在施主できるワクチンはオミクロン対応2価ワクチンですので接種しておくことはやはり重要かもしれません。