ゴジてれChu!再び 2020年3月16日 新型コロナウイルス2例目
昨日、先週に引き続き、福島中央テレビの『ゴジてれChu!』に出させていただきました。県内2例目の新型コロナウイルス患者の発生を受けてのコーナーでした。
今回の例は、市中感染では無く、エジプトのクルーズ船ツアーで感染したのだと推測されます。日本国内の発症例を見てみると、海外から帰ってきた人の感染例が増えてきているように感じます。新婚旅行の例もありましたが、新婚で、お休みがとれて、あこがれの国へのツアーがとれていたら、行きたくなる気持ちもわからないでも無いですが、やはり今は我慢のしどころなのだと思います。
今回、放送で話題になったのは、「濃厚接触者」と言うけれど、この「濃厚接触者」とはどういうものなのかと言う事でした。この「濃厚接触者」は一般のかたには以下の通りと考えていただいて良いと思います。
・感染者と思われる人と同居している、または長時間接触があった。(車内、航空機含んで)
・手が届く範囲(場合によっては1.8~2メートル内)で感染予防策無しで、たとえばマスク無しで接触のあった者
となります。これは医療従事者も同様で、
・適切な感染防護無しに感染が疑われる者を診察、看護、介護した者
・感染が疑われる者の気道分泌物、体液などの汚染物質に直接触れた可能性が高い者
は「濃厚接触者」となります。
この事から、最近はインフルエンザ感染についてはぐっと少なくなっているとは言え、日本医師会ではインフルエンザの検査をせず、症状のみで処方することも検討するように通達がなされました。
感染予防の基本、標準予防策は、誰もが感染者である可能性があるとして、対処することに有ります。一般の医療従事者においては、マスクと手指衛生を徹底しており、検体採取など行わなければ「濃厚接触者」にはならないとされています。一方、検体採取の場合ゴーグル、フェイスシールド、ガウン、手袋を装着。気道吸引などするときにはN95マスクをすることなどとされております。
通常のクリニックではなかなかこれは出来る所はないでしょう。なので、これが出来ない場合は、帰国者・接触者外来へ、とされています。
また、一般の方にとっては、感染者と近距離でマスク無しで会話をすると言う状況にはならないと思われ、感染の疑われる人がマスクをして外出していた際には濃厚接触者は出ないと言う事がほとんどです。
また、他に話題になったのは、ウイルスは物の表面でどのくらい感染性を保持するのかと言う事です。これは難しいのですが、今回のウイルスと遺伝子配列が80%同じと言われるSARSウイルスでの実験結果から言うと、条件にもよりますが、結構ウイルスは安定していると言う報告も有りました。56℃以上に加熱すれば急速に減衰する様ですが、条件によって数時間から2日程度まで感染性が保持される条件も有るようです。これについては他の国でも心配の声が上がっているようですが、ドイツ連邦リスクアセスメント研究所によると、「環境中のコロナウイルスの安定性は比較的低く、汚染食品の喫食や輸入玩具を通しての伝播は、汚染後短時間のみと考えられる」としています。
もちろん、不特定多数の人が触る所は清潔にしておくに越したことは無いですが、感染疑いの人が、食品を買うために行ったショッピングセンターの物や食品を介して感染すると言う事は考えなくても良いのではと考えます。今のところ食品を介した感染は報告も無いようです。
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/microbial/2019-nCoVindex.html
色んな事を考えると不安ばかりがつのってしまうと思いますが、個人が出来ることを皆がしっかりすること。この積み重ねが重要だと思われます。