冬は新型コロナウイルスワクチンにインフルエンザワクチンも
10月からは高齢者インフルエンザワクチンの補助が始まります。今年のインフルエンザのワクチン株は
・A型 H1N1 A/ビクトリア/4897/2022(IVR-238)
・A型 H3N2 A/ダーウィン/9/2021(SAN-010)
・B型ビクトリア系 B/オーストリア/1359417/2021(BVR-26)
・B型山形系統 B/プーケット/3073/2013
の4種となっています。インフルエンザワクチン株は過去の株とかぶることはありますが、毎年変更されるのと、毎年継続して撃っておくことでインフルエンザウイルスに対する免疫能が維持されることが報告されていますので、毎時うっておくのが良いかと思われます。
https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/001089486.pdf
ワクチン株に選ばれた4種は米国でも同じです。米国でもこの冬に向けてインフルエンザワクチンの摂取を推奨しています。CDCのホームページでは9月~10月がワクチン接種に最適と書いて有りますね。
CDCのHPでは、秋・冬に気をつけるウイルスとして、新型コロナウイルス、インフルエンザウイルスに加えてRSウイルスを上げています。これらは全て呼吸器感染の代表的なウイルスです。米国での発生状況のグラフを見てみると、3種のウイルスとも秋・冬に増えている事がわかります。
https://www.cdc.gov/respiratory-viruses/index.html
コロナウイルス、インフルエンザウイルスはいまやおなじみの感染症になってしまいましたが、RSウイルスに関しては、最近報道でも見られるようになってきているとは言え、先の2種のウイルスよりはなじみが薄いウイルスだと思います。
RSウイルス=respiratory syncytial virus感染は乳児期の発症が多く、細気管支炎、肺炎などをきたします。特に6か月未満の乳児、心肺に基礎疾患を有する小児、早産児が感染すると、呼吸困難などの重篤病態を引き起こし、入院、呼吸器管理が必要となる事があり、大学時代の小児科の友人はこのRSウイルスウイルスを小児科医から見るととても嫌なウイルスだと常に言っており、彼の主な研究テーマとして研究していました。当時は私も腎移植におけるサイトメガロウイルス感染の研究と腎癌とサイトカインの研究を彼と一緒にしていましたが、彼のRSウイルス研究の共同研究者にも入れてもらいました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19595407/
そんな彼は、常々RSウイルス治療薬やワクチン開発の重要性について話していましたが、日本でも今年RSウイルスワクチンが承認されたようです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230828/k10014177051000.html
CDCでは60歳以上のかたにはRSワクチンを受けた方がいいか医師に相談する事を推奨しています。現時点で日本ではいつからRSワクチン摂取可能か不明ですが、今後、毎年冬には新型コロナウイルスワクチン、インフルエンザワクチンに加えてRSウイルスワクチンも推奨されるようになってくるかも知れません。