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季節性インフルと新型コロナ感染での入院患者での死亡率 JAMA

[2023.04.15]

来月から、新型コロナウイルス感染は感染症法上5類に引き下げられます。季節性インフルエンザと同じというように報道されているのはよく耳にします。確かに、新型コロナウイルス感染は今のところ落ち着いてきていますし、パンデミック当初のような死亡数の増加も耳にしなくなってきていると思います。

米国での研究では新型コロナウイルスパンデミック当初、新型コロナウイルス感で入院した人々は、季節性インフルエンザで入院した人と比較して、30 日以内の死亡率のリスクがほぼ 5 倍であることを示していました。

 

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33323357/

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33090987/

 

しかしながらワクチンの導入や、ウイルス株の変異などもあり、その死亡率は徐々に変化してきたのは体感しているところです。4月6日のJAMAに、2022 年から 2023 年秋冬にかけて、季節性インフルエンザと比較して新型コロナウイルス感染での死亡リスクが高いかどうかを評価した論文が出ています。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37022720/

 

この論文ではアメリカ退役軍人のデータベースを用いて、2022 年 10 月 1 日から 2023 年 1 月 31 日までの間に新型コロナウイルスまたはインフルエンザウイルスの検査結果が陽性で入院となった人を解析しています。

その結果、新型コロナウイルス感染による入院は8996人(死亡538人[5.98%])に対して季節性インフルエンザ感染による入院は2403人(死亡76人[3.16%])でした。新型コロナウイルス感染による入院は、インフルエンザによる入院と比較して、ハザード比1.61とより高い死亡リスクと関連していました。この死亡のリスクはワクチン接種回数とともに減少しています。

 

新型コロナウイルスとインフルエンザの死亡率の差は、パンデミックの初期から減少しています。 新型コロナウイルス で入院した人の死亡率は、2020 年には 17% ~ 21% であったのに対し、この論文ではでは 6% です。一方、インフルエンザで入院した人の死亡率は、2020 年には 3.8% で、この論文でも 3.7%と変化はありません。

 

感染による死亡“率”で言えば、新型コロナウイルス感染によるものはだいぶ下がってきています。これはウイルス株の変異、ワクチンや既感染による免疫状態の変化、医療ケアの改善などが影響しているだろうと述べられています。しかしながら、この研究において入院した人の“数”においてはインフルエンザ感染者の2403人に対して新型コロナウイルスでは8996人と3倍以上であることも考えなくてはいけないです。死亡率が下がってきているとは言え、感染者の絶対数が多いということに対して、これからも注意が必要です。

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