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新型コロナウイルス肺炎 「指定感染症」

[2020.02.03]

新型コロナウイルスが今月から指定感染症に定められました。

指定感染症では都道府県知事が患者に対して、感染症の対策が整った医療機関への入院を勧告し、従わない場合は強制的に入院させることができます。

 

現在日本での感染確認例が増えてきていますが、まずは今日本で行われている、入国制限はやむを得ないと思われます。あとはそれをすり抜けてきた例をどうとらえるかと言う事でしょう。

この感染症でこわいのは、無症状でウイルスを排出している期間があると言う事でしょう。インフルエンザのように潜伏期間が短く、症状が早く出る感染症では、すぐに治療を開始出来ますが、この新型コロナウイルスは症状なしで排出されるので、早期隔離が非常に難しく感染拡大の要因になりそうです。逆に、感染していても全員が重症肺炎になるわけで無く、厚労省も「入院適応がないと判断された患者については、自宅において十分な感染対策が実施できることを担保した上で、自宅安静とする。」としていました。

 

感染様式は飛沫感染のようです。簡単に言えば、咳、くしゃみのときの飛沫に含まれるウイルスが感染するということです。空気感染ではありません。空気感染は、微生物が対流によって拡散、感染するもので、麻疹ウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、結核などがその代表例です。空気感染する感染症の患者の場合、感染病棟のように、病室が陰圧になっている部屋に入院となって、廊下側に微生物が流出しないようにすることが必要になります。ただ、今回の新型コロナウイルス感染症もまだよくわからない所が多いので、入院が必要となった場合、同様に陰圧の感染病棟に入院となる可能性が有ります。

ただ、飛沫感染の場合は、感染者はマスクをしていただくことが重要です。飛沫を飛ばさないようにです。N95マスクまでは必要ではないように思います。

 

消毒についても、アルコール消毒が推奨されています。これはコロナウイルスがエンベロープを持つウイルスであるからです。以前ウイルスについて書いたことが有りますが、エンベロープは脂質であり、この脂質の上に感染に必要な蛋白が乗っています。そして脂質はアルコールで簡単に除去できるので、感染力をなくすことが出来るというわけです。インフルエンザと同じです。

ただ、今日本中で、マスク・アルコールを買い求めているようで、どこも品薄となっていますね。

 

診断は、インフルエンザと異なり、今のところ遺伝子検査となるでしょう。

すでに中国から遺伝子配列が公開されているようで、RT-PCRによる診断は可能です。これは普通のクリニックなどで出来る診断ではありません。

 

日本医師会からも連絡が来ていましたが、武漢に滞在していたり、感染者との接触があった方は、先ず保健所に相談していただくようになります。

このウイルスのことがもっと理解できるようになるまではもうしばらくかかりそうです。

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