コロナワクチンとインフルワクチン、同時接種可能。「いつやるか、今でしょ。」
10月からインフルエンザワクチンが始まってます。オーストラリアでは冬(日本では夏)に動じ流行が起きていたことから、日本でも同時流行の恐れも否定出来ず、ワクチン接種が推奨されています。ただ、海外と日本でのマスク着用率が異なるので、日本でどの程度流行するかは未知数です。10月28日時点でのインフルエンザ報告数は全国で106例となっています。昨年の同時期では13例となっていますので、約10倍ですので注意が必要でしょう。
https://www.mhlw.go.jp/content/001005837.pdf
新型コロナウイルス感染も感染者減少は十分ではないので、引き続きワクチン接種は必要です。最近はオミクロン対応ワクチンになっていますので、このワクチンもうっておくことは重要かと考えられます。
そこで、この冬には、コロナワクチンとインフルエンザワクチンを接種していくこととなっているのですが、これらのワクチン現在同時接種可能となっています。これまでもワクチンについては、生ワクチン(麻疹・風疹ワクチン、水痘ワクチン、おたふくワクチン、BCGなど)どうしは1ヶ月あけなくてはいけませんが、それ以外は間隔の制限はなく、同時接種可能となっています。なので、たとえばB型肝炎ワクチンとインフルエンザワクチンを同時接種なども可能です。
ただ、今回、新型コロナウイルスワクチンは、今まで使用したことのないRNAワクチンであったため同時接種の安全性に対して議論がありました。これまで、コロナワクチンと他のワクチンは原則2週間あけることとなっていました。
インフルエンザワクチンとコロナワクチンの同時接種の有効性・安全性に大きな問題が無いことが報告されています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34774197/
この論文ではコロナワクチン(ファイザーおよびアストラゼネカワクチン)とインフルエンザワクチンの同時接種群と3週間あけて接種した群に分けて、中和抗体の上昇と有害事象について調べています。その結果、中和抗体上昇については、同時接種と非同時接種群で差は無いとのことでした。また有害事象も、同時接種群340人のうち1例(アストラゼネカ社ワクチンとインフルエンザワクチンを同時接種し、片頭痛を発症)がワクチンと関連があると考えられたとされています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34774197/
同様にモデルナワクチンとインフルエンザワクチンの同時接種でも同様に重篤な有害事象は無かったと報告されたいます。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35114141/
これらの報告を受けて、現在インフルエンザワクチンと新型コロナウイルスワクチンは同時接種可能とされています。
https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0037.html
海外ではワクチン同時接種はコロナ以前から可能で、自分の友人が米国に留学したとき、お子さんは小児科で1日に4本のワクチン打って来たと話していました。なかなかそれは極端ですが、そもそも今日本で行っているワクチンでMRワクチンは風疹+麻疹のワクチンですし、DTP―IPV ワクチンはジフテリア(D)+百日せき(P)+破傷風(T)+ポリオ(IPV)の4種類はいったワクチンです。
今後With コロナの時代となった場合は、インフルエンザとコロナの混合ワクチンも出てくるかも知れませんね。
同時接種は可能では有りますが、インフルエンザワクチンの効果はどのくらい続くのか、今打って早すぎないかとの質問もときどきでてきます。
それについて、インフルエンザワクチン接種後の中和抗体価を調べた論文もでています。この研究ではインフルエンザワクチン接種では有効防御免疫能を有した比率は、接種4週間後には4種のワクチン株に対して92.2%、95.7%、76.6%、86.5%であり、16週間後(4ヶ月後)にも89.6%、88.1%、70.1%、86.6%であったとしています。これらの結果から4ヶ月後も十分な免疫が継続していることが考えられます。1年後には接種前の抗体保有率に戻ったとのことです。この論文では最後に「毎年の連続摂取により有効防御免疫保有率が高められ、類似の抗原に対する抗体産生能を獲得して少々の抗原変異にも対応できることから、毎年のワクチン接種が推奨される」とされています。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsei1986/22/4/22_4_235/_pdf/-char/ja
新型コロナワクチンも今主流のオミクロンBA1対応二価ワクチンでBA4/5 中和抗体能も高くなることが報告されています。
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2208343?query=featured_coronavirus
インフルエンザワクチンの効果も少なくとも4ヶ月はもつ事を考慮してとき、また、コロナワクチンが同時接種も可能である事を考慮して、いつやるか?という質問に対しては「今でしょ」と言うことになります。できたら今年中に両方打っておいたら安心です。