「一茂×かまいたち」も注目。緑茶・抹茶の知られざる健康効果と研究結果
「一茂×かまいたち ゲンバ」で見た“抹茶の世界”
日曜の楽しみといえば、テレビ番組『一茂×かまいたち ゲンバ』。
かまいたちは私も大好きなお笑い芸人ですが、長嶋一茂さんとの組み合わせは最初「どうなるんだろう?」と思いつつ見始めたところ…予想以上に面白く、今では毎週欠かさず見ています。まさに絶妙なキャスティングです。
今回の放送で取り上げられたのは「抹茶ビアガーデン」。
抹茶ビールや抹茶を使った創作料理が並び、海外旅行者が抹茶スイーツを“爆買い”するということも紹介されていました。
抹茶と緑茶の違い
実は抹茶も緑茶の一種です。
緑茶とは、茶葉を発酵させずに製造する「無発酵茶」の総称で、煎茶・玉露・抹茶・番茶・ほうじ茶・玄米茶などが含まれます。
一方、ウーロン茶は「半発酵茶」、紅茶は「全発酵茶」です。
これらにはポリフェノールが多く含まれ、強い抗酸化作用が期待できます。
最新研究が示す健康効果
最近の論文では、お茶に以下の効果が期待できるとされています。
- 認知症リスクの低下
日本で行われた「村上コホート研究」では、40〜74歳の13,660名(男性6,573名・女性7,087名、平均年齢59歳)を対象に、緑茶摂取量と認知症発症率の関係を12年間追跡しました。
緑茶の摂取量は質問票で定量化し、介護保険のデータベースを用いて実際に認知症を発症した人を特定しています。
解析の結果、1日あたりの緑茶摂取量が多いほど認知症のリスクが低いことが判明。
特に、150mL(1カップ)増えるごとにリスクが4.8%低下しており、この関係は他の生活習慣や健康状態を調整した後も有意でした(調整HR=0.952、95%CI:0.92-0.99、P=0.0178)。
この効果は、緑茶に含まれるカテキンやテアニンによる抗酸化作用・抗炎症作用、さらには脳内神経細胞の保護効果によると考えられています。
日常的に1〜2杯飲むだけでも脳の健康維持に貢献できる可能性があり、高齢化社会の日本にとって非常に重要な知見です。
▶ 論文リンク(ScienceDirect)
- 悪玉コレステロール(LDL)の低下
次に、緑茶と脂質代謝についてのメタアナリシス(統合解析)をご紹介します。
この解析では、過体重または肥満の1704人を対象に行われた21件のランダム化比較試験(RCT)をまとめています。
結果、緑茶を摂取したグループは、
- 総コレステロール(TC)が有意に低下
- LDLコレステロール(悪玉)も有意に低下
していました。
脂質異常症や動脈硬化の予防に、日々の緑茶習慣が役立つ可能性があります。
▶ 論文リンク(PubMed)
- 心血管疾患の死亡リスク低下
さらに、日本人76,979人(40〜79歳)を長期間追跡した研究では、緑茶やウーロン茶、コーヒーといった飲料の摂取量と心血管疾患(CVD)による死亡率との関連を調査しました。
緑茶を全く飲まない人と比べ、女性の場合は1日1〜2杯、3〜5杯、6杯以上のいずれでも冠動脈疾患(CHD)のリスクが30〜60%も低くなるという結果が得られています。
男性では、特にウーロン茶の摂取が冠動脈疾患の低リスクと関連していました。
この効果は、緑茶に含まれるカテキンによる抗酸化作用や血管内皮機能の改善、血圧や脂質の改善作用によると考えられています。
▶ 論文リンク(PubMed)
お茶の正しい飲み方・注意点
- 目安は1日3〜5杯
1〜2杯でも効果はありますが、研究では1日3〜5杯で高い健康効果が見られるようです。
10杯以上はカフェイン過剰のリスクがあり注意が必要です。
- カフェインに注意
不眠症の方は午後3時以降を控える、妊娠中は1日200mg未満に抑える(緑茶150mLで約30mg)ことが大切です。
- 空腹時の大量摂取は避ける
濃い緑茶を空腹時に大量に飲むと胃を刺激し、胃痛などの原因になります。
- 貧血の方はタイミングをずらす
タンニンが鉄の吸収を妨げるため、鉄分摂取から1〜2時間空けて飲みましょう。
- 抹茶や粉末茶は成分量が多め
煎茶よりカフェインやカテキンが多く含まれるため、高血圧や不整脈がある方は1日1〜2杯を目安に。
6. 尿管結石の既往がある場合は飲みすぎに注意
抹茶にはシュウ酸が多く含まれるため、尿管結石の既往がある場合はカルシウムも一緒にとるようにしましょう。
身近なお茶、毎日続ける価値あり
日本人にとってなじみ深い緑茶や抹茶には、科学的にも裏付けられた健康効果があります。
緑茶は、脳、血管、脂質代謝といった全身の健康をサポートする可能性が高く、毎日数杯飲むだけでも長期的な健康維持に役立つことが、複数の大規模研究で示されています。
番組内で濱家さんが「抹茶ビールで±ゼロや!」と冗談を言っていましたが(笑)、実際にはお茶の健康効果は確かです。
日々の生活にお茶を取り入れることは、手軽で美味しい健康習慣の一つと言えるでしょう。