メニュー

まだ続いている!?梅毒の流行と新型コロナの現状――最新の感染症事情

[2025.07.19]

最近の感染症動向:実はまだ終わっていない?梅毒・新型コロナの現在地

最近、小児科領域での感染症である百日咳やリンゴ病(伝染性紅斑)の流行が話題になっています。特に百日咳は従来とは異なる流行の様相を見せているようで、小児科の先生方の間でも注目されています。

このように感染症がニュースになると多くの方の目に留まりますが、話題が過ぎるとすぐに忘れ去られがちです。梅毒や新型コロナウイルス感染症もその一つです。

📌 梅毒はいまだ「流行中」──話題にはならなくても、患者数は減っていない

2022~2023年に話題となった梅毒の流行。最近は報道が減ったため、「もう収束したのでは?」と思われている方も多いかもしれません。

しかし実際には、いまだに梅毒患者数は高い水準を保ったままです。

  • 全国的に見ると、2020年以前と比べて2022年には2倍以上に増加。
  • 福島県でも、最近の四半期ごとの届け出数は31~37。2016~2017年の9~18と比べて明らかに増加しています。

📊データ出典:IDWR 感染症週報 - 梅毒動向

当院の外来でも、梅毒が疑われる患者さんを今なお散見します。陰部の硬結や無痛性潰瘍、全身の発疹(かゆみを伴わないバラ疹など)が見られた場合は、なるべく早めの受診をおすすめします。

😷 コロナはもう心配ない?――最新の福島県内動向

最近は新型コロナウイルス感染症の話題もめっきり少なくなりました。しかし、感染が完全になくなったわけではありません。

福島県内の感染者数の推移は以下の通りです。

  • 2024年同時期:定点当たり 6.18
  • 2025年現在:定点当たり 0.65~1.58(大幅減)

📊福島県内データ:福島県感染症週報(2025年第27週)

昨年・一昨年は夏に感染者数が増加傾向を見せましたので、今年の夏も注視が必要です。

💉 2025年のワクチン事情:今年の新型コロナワクチンは打つべき?

今年の新型コロナワクチンは「JN.1系統LP8.1対応株」に更新される予定ですが、自治体への助成金が打ち切られる見込みで、自己負担が増える可能性があります。

📄 厚労省資料:令和6年度新型コロナワクチン接種体制

実際、2024年のワクチン接種者数は大きく減少しています。そのうえで感染者数も減っていることから、費用と感染状況を見極めた上で接種を検討することがよいかもしれません。

🇺🇸 米国の感染症対策の今後が心配?

米国ではトランプ氏が再び影響力を強めており、感染症対策予算の削減が進められているという報道もあります。

📺 NHK報道:米国、感染症対策資金の打ち切りへ

かつてパンデミック下で米国のCDC(疾病対策センター)はmRNAワクチンの普及などで大きな役割を果たし、多くの命を救いました。健康を守る公共予算の在り方については、改めて考えさせられます。

CDCの現在の公式サイトでは、コロナが「一般的な呼吸器ウイルス感染症」としてインフルエンザやRSウイルスと並列扱いになっているのも注目点です。

ここで、新型コロナワクチンには"CDC recommends"(勧奨)と記載されているのに対し、インフルエンザやRSVには"should"(強く推奨)と書かれている点にも違いが見られ、アメリカ国内での感染症対策の温度感も読み取れます。

まとめ:話題にならなくても「終わっていない感染症」はある

  • 梅毒は現在も横ばいで流行中。見逃さず、早期受診を。
  • コロナは落ち着きつつあるが、夏の感染増には注意。
  • ワクチンは価格や流行状況を見極めて判断を。

感染症との付き合いは「話題性」だけで判断せず、正しい情報をもとに備えておくことが重要です。

 

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME