新たな変異株EG5にも XBB.1.5ワクチン
新型コロナウイルスは、いまも変異株が出現し、世界中に広がってきています。これまで、日本でも世界中に広がっていたXBB.1.5が増えてきていましたが、その一方米国では新たな変異株EG.5 が優位になってきています。現在WHOはこのEG.5をvariant of interestに指定しています。
8月18日のJAMAにこのEG.5について書いてありました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37594886/
EG.5はXBBバリアントよりも実効再生産数が高い可能性が有り、CDCの予測によると、米国では、このウイルスとその亜系統が XBB.1.16 と XBB.1.5 の両方を追い越す可能性があるとしています。
EG.5 は、今後のワクチンの対象となるXBB.1.5 と同じスパイクタンパク質を持つ Omicron 系統のXBB.1.9.2 の系統です。 しかし、EG.5 にはスパイクタンパク質変異 F456L (456番目のアミノ酸がフェニルアラニンからロイシンに変異)がはいっており、のXBB.1.5 中和抗体を回避しそうだとされています。さらにEG.5.1 亜型には、Q52H (
52番目のアミノ酸がグルタミンからヒスチジンに変異)が含まれているとのことです。変異が多く入れば入るほど立体構造が変わる可能性があるので中和抗体が着きにくくなることが考えられます。
WHOによるとEG.5 の抗体価回避能は中程度moderateとしています。ただ、これまでのところ、EG.5 がこれまでの新型コロナウイルス感染症のより重篤な症例を引き起こすという報告はなく、WHO は重症化のリスクレベルを低いと分類しています。
また、今後日本でも新型コロナワクチンの型がXBB.1.5のブースターワクチンと変更されていきますが、現時点でBG.5 に対しても「2023年秋からのワクチンのベースであるXBB.1.5のスパイクタンパク質からの変更はほとんどないため、新しいワクチン(XBB.1.5ワクチン)はうまく機能し、これまでのワクチンよりも有効である事がと期待できる」と、されているようです。
今後日本国内でもEG.5 の広がりには注意する必要がありますが、徐々にEG.5系統が増えてきている模様です。
https://www.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/lb_virus/worldmutation/
新しいタイプのワクチンが可能になったら、ブースターとして一度摂取しておくと安心かも知れません。