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院長ブログ

東京五輪終わりましたね。(2021.08.09更新)

東京オリンピックが終わりました。アスリート達の活躍は多くの人々を奮い立たせ、胸を熱くさせてくれたと思います。今回メダルをとったアスリートはもちろん、ほかの全てのアスリート達には、皆想像を絶するような練習を積み重ね、多くの試合で勝ち進み、ここまで到達してきたというストーリーがあると思います。

オリンピックの開催は、新型コロナウイルス感染の管理上は確かにマイナスでした。ワクチンの接種率が低い状況で人の移動、流入を促すことになるからです。理想はもっと早くワクチン接種を進めておいてからの開催でした。オリンピック開催については、世界中のアスリート達のこれまでの努力を無駄にしないことも、日本での感染のコントロールも十分に考えなくてはならず、大変難しい決断であったと思われますが、双方の最小公倍数として、基本無観客での開催としたと理解しています。今回のオリンピックは東京のみならず、福島をはじめとする地方でも行われました。有観客とすれば、各地から会場へ人が集まるため、人の流れができてしまいます。復興五輪とも言われていましたが、現在もできるだけ移動を避けるようにと言われており、そういった意味では無観客もやむを得ずと思います。ただ、今日の時点で日本におけるワクチン2回接種率は33%です。少なくとも50~60%以上に上げておいたらより安心でした。しかし、それは今更言ってもどうしようもありません。今後も継続した感染予防策の継続とワクチン接種を推進して行くべきでしょう。

 

現在、新型コロナ感染が増えているのは感染力の強いデルタ株のためと考えられます。感染力が強いため、家族感染も増えると考えられ、家庭内で一人が感染すると、感染者はさらに増えていきます。NEJMに掲載された論文で、最近製造承認されたカシリビマブとイムデビマブの抗体カクテル療法、REGEN-COVが家庭内接触者の症候性および無症候性感染を予防したと報告されています。

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2109682?query=featured_home

 

REGEN-COVはSARS-CoV-2に対する2種類のウイルス中和抗体カシリビマブおよびイムデビマブの組み合わせで、入院をしていない高リスクのCOVID-19患者の入院または死亡のリスクを有意に低下させるとされています。

今回の論文では、感染者と家庭内接触の96時間以内の人にプラセボとREGEN-COVを割り付けて投与しました。その結果、症候性SARS-CoV-2感染は、REGEN-COV群の参加者753人中11人(1.5%)で、そしてプラセボ群の参加者752人中59人(7.8%)で発症しました。2〜4週目において、REGEN-COV群の753人の参加者のうち2人(0.3%)とプラセボ群の752人のうち27人(3.6%)が症候性SARS-CoV-2感染を示しましたとのことです(相対リスク減少が92.6 %)。

REGEN-COV皮下注は、まだ感染していない感染者の家庭内接触者において、症候性のCovid-19および無症候性のSARS-CoV-2感染を予防したと報告されています。

この研究で特徴的なのはREGEN-COVが皮下注射であることです。皮下注はたとえばインフルエンザの予防接種と同じ方法ですが、点滴や静脈注射に比較して簡単に投与可能です。なので、たとえば今後の戦略として、感染が診断されたとき、その家族がワクチンを接種していなければ、家族全員にREGEN-COVを皮下注してしてしまうと言うことが考えられます。

 

今回の五輪で日本はたくさんのメダルを獲得しました。感動でした。一方、メダルを取れなかった、もしくは予選も突破できなかったアスリートがたくさんいます。しかし、メダルを取れなかったからといって、これまでの4年間が無駄だったと言うことは無いでしょう。目標に向かって努力を継続することの大切さを彼ら・彼女らは私たちに教えてくれています。医学も日々進歩しています。大きな成果の前には、多くの研究者のこつこつとした、一見地味な研究が積み重なってきていることも忘れてはなりません。

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